コラム TAKESHITA SANGYO

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コラム 賢人の思考 ~人事の今。そしてつなぐ未来について~

2019.09.09

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バブルまでは“作れば売れる時代”でしたので、ある意味あまり考えなくても、真面目に努力すれば一定の成果を得られたのかもしれません。

バブル崩壊後は“売れない時代”ですので、ヒトのアイデアや発想が、売れるための重要な要素になっています。

そのような時代背景において今、ティール組織(Teal Organization)※が注目されています。

私が考えるティール組織とは、「従業員一人一人が自律し、自ら考えアイデアを創発していく、さらに集団として互いに進化し続ける組織」と捉えています。

これからは、ヒトの思考力が企業の勝負の分かれ道となるはずです。

わが社も思考できる人間を一人でも多く輩出できるよう、人材育成に力を入れていきます。

 

今回は、直近でアメリカの先進企業を視察された小山貴子先生にコラムを書いていただきました。小山先生は、人材育成と採用を専門とされる社会保険労務士です。

人材育成のプロから見たアメリカの先進企業の取り組みを、ぜひご一読ください。

 

ティール組織とは

https://gotcha.alc.co.jp/entry/20180201-book-teal

 

 

【著者】

社会保険労務士事務所フォーアンド      

代表 小山 貴子(こやま たかこ) 氏

 小山貴子様

【略歴】

1992年、株式会社リクルートにて、創刊したばかりの求人誌「ガテン」の営業を皮切りに、個人事業主から上場企業まで、主に求人広告の営業マンとして12年勤務。その後、ベンチャー企業の立ち上げに参加。社会保険労務士試験合格を機に、事務所勤務を経て独立。現在は、中小企業の人事(“採用”“教育・育成”“労務”)の伴奏者として勤しむ。社労士事務所の代表、人事コンサル会社の代表取締役、上場会社の非常勤監査役、一般社団法人ワークデザインラボ・パートナー、東京都中小企業振興公社・創業ステーション専門相談員等。

 

※社会保険労務士事務所フォーアンド ホームページURL

https://www.forand.co.jp/

 

 人事の今。そしてつなぐ未来について

 

「人手不足」と言われて、久しくなりました。25年間、“採用”に関する仕事をしてきた私としては「売り手市場」も「買い手市場」も見てきましたが、日本の人口構成上からも人手不足はこの先、長く続くと思っています。

 

一方で、人事には毎年のように流行りの言葉が出てきます。最近でいえば、漢字部門は「働き方改革」「健康経営」でしょうか?そして、カタカナ・ローマ字部門は「ティール」「ホラクラシー」「OKR」というところでしょうか?

 

ティール組織(Teal Organization)」、2018年1月31日に日本語訳版が発刊されて以来、日本でも多くの経営者や人事の方々がこの新しい概念に興味を示しているように思います。

 

“ティール”の定義は本に譲るとして、一言でお伝えすると、「自立した人、高い意識の人たちで自主的に運営できる組織の状態」。日本でもベンチャー、特にIT系の組織だとよくこの単語を聞きます。「確かに理想だけど、それはできるビジネスマンだけが集まっているような組織じゃないと無理でしょ?」と思われている方がいらっしゃるかと思うのですが・・・「否」と答えたくなります。

 

というのも、「実態はどうなんだ?」ということがここ1年くらい気になっていました。ティールの事例の事例として1、2番目に必ず出てくる、アメリカの“ザッポス”という会社があります。そこでザッポスの本社があるラスベガスを含めて、15社30人の方々をインタビューする西海岸の企業をまわる2週間の旅に行ってきました。(旅を企画してくれた会社と素晴らしい通訳の方のおかげで有意義な旅になりました!)

 

ザッポスの紹介を簡単に・・・アメリカの靴の通販から始まった会社。今はアパレル全般を運営しています。2009年にアマゾンに買収。2010年にはアメリカのフォーチューン誌が選ぶ「働きがいのある企業100」ランキングで15位。

 

一言で申し上げると、やはりすばらしい会社。すべてにおいて、透明度が高い!そして、コミュニケーション量が非常に多い。

 

究極的なことをお伝えすると、バブル崩壊前の日本企業の空気が流れる会社でした。ただただベーシック。奇をてらったことをしているわけではないという感想もあります。でも、そのベーシックがなかなかできない現状がある日本。(この“ベーシック”というところが真似するとしたら難しいのかもしれませんね)

 

ザッポスの職場において(恐らく職場外でも)スタッフのみなさんが、「人のために」というか「自分が楽しいからやっている」という雰囲気を端々に感じます。

 

“SPC”(従業員満足→顧客満足→利益の向上→従業員満足・・・の循環)は鶏卵のお話でどこから取り組んだらいいのか?と質問されることがあるのですが、「お客さまに個々人がどういう価値を発揮するのか?」を考えることからスタートかと思っています。

 

日本でも明治期に渋沢栄一さんが「論語と算盤」にて「道徳と経営は合一(2つ以上の者が合わさって1つになること)すべきである」とおっしゃっています。タイムリーに来年は新札に登場されますね。“論語”と“算盤”は“理想”と“現実”と置き換えて会話されることがありますが、さにあらず。

 

ザッポスの具体的なお話に戻すと・・・“顧客満足”の例:電話でのお客様との時間。1コールの最長は10時間半かけたという実績があります!(送られていく箱にその内容が書かれています)

小山貴子様②

 

“利益の向上”という観点では・・・靴の通販業をやる。他の消費財の通販に比べて、返品率が多くなるだろう(靴は送られてきてから履いてみると想像とは違っていたという状況になりかねず)→返品があると利益を圧迫する→そのために顧客の状態を徹底的にヒアリングし、返品率を低くする→そのために職場環境をどのようにしなければならないかを考える。今もそれを追求している環境だと思います。

 

ただ、ザッポスも、方針変更による大量の社員の離脱、そしてリストラ等も経験し、今の形が作られています。

 

採用面接するにも、1日がかりでとっかえひっかえいろんな人が面接に携わり、“家族”として迎えることができるかどうかが判断されています。数字を聞くと入社できるのは100人に1人以下。入社1カ月は、主戦場であるコールセンター業務を誰もが体験し、それが終了すると、本当の家族や友達、そして受け入れ組織の人に「おめでとう!」と大々的に祝ってもらえるイベントが用意されています。(そこで合わないと思えば、退職できる仕組みもできています)

 

日本で今はやりの「複業」や「テレワーク」も会社として推進していない・・・ここにも考えが見え隠れします。(この詳細も機会がございましたら、次の機会に!)

 

私達の案内役の人達にも社内を歩けばいろんな人が声をかけてくる。みなが「話す」「相手の言うことに耳を傾ける」、それに時間を取ることになんら制約がない世界が展開されていました。今いる人達の思いに答える、応える。そして、人事制度を常に変更する試みがされています。そうすることで明るい未来につながっていく様子を確認してきました。

 

今回はデルタ航空で往復しましたが、2回とも恐らく60代と思しきおじさまにご対応いただきました。単純にいいなぁと思いました。働ける体力・能力があり、それを実現できる環境がある。日本ではCAさんとして男性はチラホラお見受けする環境になりましたが、高齢者は?と考えると皆無ではないかと。近い未来にこの環境も変化せざるを得ないのではないかと思います。

 

私が社名を“for and”としたのは・・・ひとつには、職場は「安心・安全・安堵(あんど)」の場でありたい、あって欲しい、あるべきという思いがあったから。このような環境の会社が更に多くなるように、私も精進しなければと思わせてもらった旅でした。

 

みなさんが今、所属されている会社はどんな状態ですか?

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