コラム TAKESHITA SANGYO

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コラム 賢人の思考 ~賢い消費者(エシカルコンシューマー)~

2020.02.03

2017.02.13-22

 

 

 

 

石川 雄一先生に、「賢い消費者(エシカルコンシューマー)」というテーマでコラムを書いていただきました。

石川先生は、現在食品ロスで問題となっている“恵方巻”を取り上げられ、立ち止まって考える大切さを私たちに伝えてくれています。

わが社も企業市民として、SDGs(持続可能な開発目標)に今後取り組んでいかなければならないと模索を始めております。

みなさまもコラムを読んでいただき、持続可能な社会づくりについて、立ち止まって考えていただけますと幸いです。

 

※まだまだですが、タケシタの社会活動については下記URLをご覧ください。

https://www.r-station.co.jp/topics/topics_ipad-air/

https://www.r-station.co.jp/topics/topics_2019-15-19/

 

 

 

 

 

【著者】

石川 雄一 氏

石川氏①

【プロフィール】

慶應義塾大学経済学部卒業後、東京海上火災保険株式会社(現:東京海上日動火災保険㈱)に入社。主に国内営業畑を歩み、近畿業務推進部長、札幌中央支店長などを歴任

55歳で自動車メーカー保険代理店の常務取締役となり、経営と人材開発に尽力

退任後、大型自動車メーカー関連会社参与を経て退職

2017年に立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科入学し、2019年3月に修士課程修了。MBA(経営学修士・社会デザイン学)

2019年4月からは同研究科研修生となり、企業組織に関する研究を継続し、セミナー講師など精力的に活動している

 

 

テーマ : 賢い消費者(エシカルコンシューマー)

 

○コンビニの恵方巻を考える

 節分の時期を迎えると、首をかしげたくなるのが「恵方巻き」です。関東の人はほとんどこの習慣を知らなかったと思いますが、いつの日からか、バレンタイン前に盛り上がりを見せるようになりました。しかし何かおかしくないか、と思っていたら(少々古いですが)、毎日新聞2017年2月4日「恵方巻き商法 コンビニ戦略のひずみ」というタイトルの社説が掲載されました。この問題の発端は、アルバイト店員がSNSに投稿したノルマ販売の実態や、廃棄された恵方巻きの写真でした。これをきっかけに販売方法を見直す動きが始まり、今年は予約販売を中心に無理な売り方はしない、という流れのようです。

 節分に巻寿司を食べる習慣は、大阪を中心にかなり以前から行われていたらしいのですが、これに「恵方巻き」とネーミングしたのは1998年セブンイレブンだとか。売上げの落ち込む1月後半から2月初旬のイベントとして展開するようになり、スーパー、コンビニにおいて恵方巻商戦が次第にエスカレートしたのです。

コンビニ本部から、今年は前年の110%目標、のような指令が発せられ、地区担当のスーパーバイザー(SV)に割り振られる。SVは各店舗に同様に販売目標をおろし、予約販売の推進を行う。各店舗では売り上げ目標を従業員に割り振りハッパをかける。無理なノルマを抱えたアルバイトは家族や友達に頼んだり、自爆するしかない。店主は当分恵方巻きが主食になり、そして生まれる大量廃棄、目に見えるようなストーリーでした。

コンビニ各社は、CSRレポートにおいて、食品の廃棄を減らすための様々な努力をしているといいます。その一方でこうした廃棄物を量産しているのです。ではそもそも、恵方巻きのような一部の習慣を販売に持ち込んだのは誰なのでしょうか。

 

○皆がやるからやめられない

ドラッカーはマーケティングとイノベーションが経営のすべてであり、利益は目標ではないと言いました。これを実現するために活躍するのが各社の企画部門であり、それを支えるのが企画会社です。イベント型の販売促進がイノベーションなのかは疑問ですが、古くは中元、歳暮、クリスマスからバレンタイン、最近はハロウィンと徐々に増えてきました。一年中イベントを仕掛けて消費を刺激しています。イベント型販促はマーケットの拡大に寄与した部分もありますが、一方では継続的な底上げにつながったのかの検証が不十分ではないかと思います。皆がやるからやめられない現象、ではないでしょうか。

さらに、ハロウィンのような新しいイベントは若者が牽引しているため、比較的所得の低い若年層の消費を促す結果として、他の需要を圧迫することにはならないだろうか。筆者はスマホとイベント型の販売方法が、市場全体の需要拡大を阻害しているとの仮説を持っています。

 

○何かおかしい、と少しだけ立ち止まって考えてみる

 さて話を戻しますと、セブン&アイHDのCSRレポートでは、重点項目に「商品、原材料、エネルギーの無駄のない利用」を上げ、日本の食品廃棄が1700万トンあり、うちまだ食べられるものが632万トンにのぼる、これの削減に取り組む。また「お客さま、お取引先を巻き込んだエシカルな社会づくりと、資源の持続可能性向上に努める」とあります。

近年SDGs(持続可能な開発目標)※1の取り組みが、地球規模の大きなうねりとなっています。SDGsの1は貧困をなくす、12は「つくる責任つかう責任」です。そこで考えます、これは企業等の責任を指摘するだけではなく、むしろ市民に課せられた課題ととらえることではないか。

エシカル消費※2という言葉があります。倫理的にかなった消費行動をすることです。例えばオーガニックコットンを選ぶことで、原産国の児童労働や環境破壊を食い止める、カカオ生産国の労働環境を知る、など世界的にフェアトレード※3が叫ばれる時代なのです。

私たちは、利便性を追求しすぎてはいないでしょうか。翌日受け取れないと本当に困るのだろうか。それによりどれだけの環境負荷がかかっているか、イベントの裏に隠されたエシカルでない部分を見過ごしてはいませんか。恵方巻きが、販売方法のひずみを生み大量の食品廃棄を生むなら、販売企業だけでなく消費者の方にも責任の一端があるのではないか、何かおかしい、と少しだけ立ち止まって考えてみる、エシカルな消費行動にはいろいろあるような気がします。

 

 

※1 SDGs(持続可能な開発目標)とは、2015年9月に国連サミットで採択された国際社会共通目標で、2030年までに持続可能な世界を実現するため、17の目標と169のターゲットが掲げれています。詳しくは下記URLをご覧ください。

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.html

 

※2 エシカル(倫理的)消費とは、人や社会、環境に配慮した消費行動のことです。詳しくは下記URLをご覧ください。

https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/manabitai/ethical/start1.html

 

※3 フェアトレードとは、公正な貿易を意味します。詳しくは下記URLをご覧ください。

https://www.shaplaneer.org/fairtrade/about/

石川氏②

2017.02.13-22

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