リスクコミュニケーション TAKESHITA SANGYO

リスクコミュニケーション

「立ち止まらない社長」が、業界のイメージを変えていく。
-前編-

2018.07.09

対談

竹下産業代表取締役社長 竹下 敏史
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リスクマネジメント・コンサルタント 大森 英直

大森 英直(おおもり ひでなお)
リスクマネジメント・コンサルタント

専門は予防や危機対応を含む企業・団体のリスクマネジメント。損害保険での豊富な知識と経験を活かし、中小企業へのコンサル業務を積極的に展開している。「大企業に比べると取り組みが進まない中小企業にこそリスクマネジメントは必要で、それによって企業と社会が変革する」という強い信念を持つ。竹下産業のブレーンとして、企業理念の再構築や人材教育などにも携わっている。東京電機大学国際化サイバーセキュリティ学特別コース講師。

「これでいいのか?」という問い

  • 大森

産廃プロフェッショナル(1) 認定、おめでとうございます。

(1)

東京都環境局が推進する優良な産業廃棄物処理業者を認定する、第三者評価制度。当認定を受けた処理業者は、適正処理、再資源化及び環境に与える負荷の少ない取り組みの実施など、一定の基準をクリアした業者と認定されています。

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  • 竹下

ありがとうございます。1933年に祖父が立ち上げて、それを受け継いだ父が会社としての形を整えました。ずっと同じ場所で頑張ってきたことが認められたような気がして嬉しかったですね。

  • 大森

80年以上続く会社で、3代目として2011年から社長をつとめていらっしゃいますね。

  • 竹下

子どもの頃から働く父親の姿を見ていましたので、会社はオレが継ぐものだって意識していました。

その分、学校の勉強はもういいやーと思っていました(笑)。これがねえ、今になって効いてきましてね。顧客の皆さんの重要な情報を預かり、従業員と家族の生活も預かる、どっちも責任重大な仕事でしょう。自分に至らないところがあるのを日々痛感します。

だからいま、「これでいいのか?」と自分に問いながら、いろんな人の話を聞いて、本を読んでいます。いやあ、もっと勉強しておけばよかったなと思いますよ。大森さん、いま大学院に通っているんですよね。うらやましい。

  • 大森

刺激的ですよ。ビジネスやマネジメントに応用できることにたくさん出会います。竹下さんもどうですか?

  • 竹下

前向きに考えていますよ。子どもたちの教育費が一段落したらね。

  • 大森

竹下さんみたいな、攻めている経営者にこそ来てほしいなあ。

  • 竹下

攻めているというか、僕は変わらないことが苦痛なんですよ(笑) 居心地いいところに立ち止まっていると、これでいいのか?って。

僕はね、「ゴミ屋」って一括りにされるのが嫌なんです。

  • 大森

今日はそのあたりを詳しくお聞きしたいと思います。

不要物こそ適切な処理を

  • 竹下

弊社はさまざまな廃棄物を扱っていますが、特に情報の入ったものの処理を得意としています。

  • 大森

情報は取扱いが難しいですよね。リスクマネジメントの世界でも、情報漏洩をはじめとする様々なリスクにどう対処するかが、今重要な課題となっています。

  • 竹下

そうです。企業や団体では、様々な顧客データを含んだ廃棄物が、毎日大量に出ます。ハードディスクやメディア、紙など形は様々です。それは、その辺に捨てられるものじゃない。

個人のプライバシーも同じでしょう。どんなゴミでも、自分がいらないから別の誰かが好きにしていいというものではなく、不要になったからこそ、所有者の意思に沿って、確実に廃棄処理されないといけないのです。

だからこそ、私たちがその部分を請け負うのです。

  • 大森

それには、まずその情報やプライバシーを預かる竹下産業さん自体が、顧客から信頼されないといけませんよね。

  • 竹下

そうなんです。確実に処理しているということを信頼していただけるために、ハード面にはお金をかけていますよ。

処理施設には最新式の機械を入れて、カメラも7台設置。24時間オンラインのセコムの最新式セキュリティシステム(2)も導入しています。もちろん自社の社員のモラルには自信を持っていますが、現状に満足することなく、様々な社員教育の場を設けています。これらをコストだととらえず、お客様に安心していただくために必要なことだと思って取り組んでいます。

特に重要なデータの場合は、お客様のご要望に応じて、お客様の会社の方に立ち会いをしていただいています。ハードディスクやテープ類を破壊する処理現場に、です。立会時間が延べ30時間に及ぶこともあります。

(2)

弊社では従来の熱監視(人の体温で反応する監視)による警備システムではなく、画期的な画像監視(画像の揺れや変化で反応する監視)による警備システムである「セコムAX」を採用しています。

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  • 大森

徹底していますね。

  • 竹下

守秘義務があるので具体的な企業名はお話しできませんが、通販会社、保険会社、大学、病院などから出る、個人の名前と重要な個人情報が入ったデータをお預かりして処理しています。

そういう性質の仕事ですから、いわゆる営業活動はやりません。営業マンが「仕事ください」と言ってはいけないと思っています。

ディスカウント営業なんか、もってのほかです。それは自社の自信のなさの表れです。

ほとんどのお客様がご紹介、あるいはホームページからここなら大丈夫と信じて、ご相談くださっています。

  • 大森

そのホームページですが、かなり力を入れていらっしゃいますね。

  • 竹下

そうですね。弊社の営業戦略は、ほぼインターネットを活用したWebマーケティングです。検索連動型広告などを活用し、ピンポイントでターゲットとなるお客様に弊社の存在を知って頂く手法です。

営業マンが『仕事をください。』と言ったところで、キーマンとなる方に辿り着けるとは限りませんよね

  • 大森

そうですね。効率が良くないです。

  • 竹下

そこで、お客様がgoogleやYahoo!で検索するときに使われそうなキーワードを想定し、そのキーワードに対して弊社の広告を出します。そして、お客様のニーズに合った提案をしていきます。

  • 大森

情報を必要としている方のところに、的確に届けるわけですね。

  • 竹下

弊社の強みはもちろんホームページに載せています。もうひとつ大切にしているのが、お客様の不安にお応えするということです。

問い合わせをくださるお客様は、弊社のことをよくご存じではないので、不安を抱えていらっしゃるはずです。ですから、ホームページには、その不安の解消になりそうな答えをたくさん盛り込んであります。その中には、私の個人的な想いや身辺雑感のようなことも混じっています。

  • 大森

竹下社長はじめ社員のみなさんが登場されていますよね。Facebookやコラムでの発信も積極的です。

  • 竹下

はい。それを読んだお客様が「この会社は大丈夫そうだ」「この竹下という人は悪い人ではなさそうだ」と思ってくだされば、信頼につながりますよね。そうすると、お客様企業のキーマンともいうべき責任ある立場の方から、直接『チョット話を聞かせてほしい』とお声が掛かるのです。

  • 大森

それはいいですね。無理な営業の必要もありません。営業マンがゼロだというのも納得できます。

  • 竹下

お客様に安心していただくための仕事ですから、信頼が第一なんです。信頼されるからお仕事をいただく、その繰り返しで今まで来ています。

 

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