リスクコミュニケーション TAKESHITA SANGYO

リスクコミュニケーション

「立ち止まらない社長」が、業界のイメージを変えていく。
-後編-

2018.07.17

対談

竹下産業代表取締役社長 竹下 敏史
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リスクマネジメント・コンサルタント 大森 英直

大森 英直(おおもり ひでなお)
リスクマネジメント・コンサルタント

専門は予防や危機対応を含む企業・団体のリスクマネジメント。損害保険での豊富な知識と経験を活かし、中小企業へのコンサル業務を積極的に展開している。「大企業に比べると取り組みが進まない中小企業にこそリスクマネジメントは必要で、それによって企業と社会が変革する」という強い信念を持つ。竹下産業のブレーンとして、企業理念の再構築や人材教育などにも携わっている。東京電機大学国際化サイバーセキュリティ学特別コース講師。

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社会貢献、じゃないですね(笑)

  • 大森

2016年から機密文書処理サービス『T-CUBE』(3)がはじまりました。

(3)

弊社が提供する機密文書処理サービス『T-CUBE』は、多様なお客様のニーズにお応えするため、分かりやすいプラン設定にしているだけでなく、「インシデント電子化システム(処理完了を迅速にお知らせする機密抹消処理証明書の電子化送信サービス)」や、「トレーサビリティ管理システム(処理作業の内容を記録した履歴を残して追跡できるシステム)」といった付加価値も提供させていただいております。

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  • 竹下

これはパソコンなどのOA機器や電子記録媒体(メディア)ではなく、紙の書類の処理に特化したサービスです。法人の方の申込はインターネットで会員登録して頂き、直接回収の方は希望日と箱数を登録して回収依頼を受け付けます。遠方の法人様も、段ボールに箱詰めして、物流会社様の12桁の伝票番号を登録して郵送して頂きます。

いずれも処理が完了したら「終わりました」の証明書をメールで送ります。

  • 大森

受付から処理終了まで、すべて電子化されているんですね。ところでこのサービス、個人向けは無料となっていますが……。

  • 竹下

『T-CUBE』は日本中から受け付けています。で、処理代金なんですが、正直なところ、個人のお客様から一箱いくらで送金してもらったり振込みしてもらったりしても、社内の経理処理の手間のほうがかかっちゃうんですよ。だったらもう、無償にしようと。

  • 大森

合理的な考え方ですね。使った人がクチコミで広げたり、SNSでいいね!とかシェアしてくれたりしたら、宣伝にもなりますね。

  • 竹下

弊社としては、お客様が満足してくださったら、それで充分ありがたいんです。そういえば以前、どうしても処理代を払うというお客様から電話がありました。

  • 大森

「タダのものは信用できん」ということですか?

  • 竹下

そうそう。で、社員が困ってしまったので、私が電話に出て直接お話ししました。ちゃんと納得していただきましたよ(笑)

無償というと「社会貢献ですか」と言われるんですが、それもちょっと違う。こちらとしては、弊社を使っていただいて「便利だった」「安心だった」というお客様の満足と安心が、大きな目で見た場合に、弊社の信頼を高める何よりのメリットだと思っています。

  • 大森

個人の紙データこそ、本人にとっては歴史であり、絶対他人の目に触れたくないものが混じっていたりしますよね。それはユーザーから見ても、ありがたいサービスです。

「次の面接」のために

  • 竹下

どんなゴミも、その人や会社の歴史の一部でありプライバシーです。ゴミを出すお客様に、「処理する人が見るんじゃないだろうか」「どこかで使われるんじゃないだろうか」という不安を抱かせてはいけないのです。だから、社員にもそれを厳しく指導を徹底しています(4)

(4)

弊社では、会社が誠実な人間の集合体であることがリスク管理の基本だと考え、「ヒト」にフォーカスしたリスク管理を行っております。詳しい活動内容等は弊社リスク管理ホームページをご覧ください。

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  • 大森

それがソフト面の信頼ですね。信頼を得るためには、ハード面とソフト面がバランスよく保たれていないといけません。

  • 竹下

そうです。企業の廃棄物のなかには、様々な事情で新品のまま廃棄されるものがあります。でもそこでモッタイナイと思って我々が抜き取ったり、転売してはいけない。それでは、「処分したい」というお客様の信頼に背くことになりますから。だから社員の意識づけが重要なんですよ。意識を高めてもらうために採用する際には『守秘義務契約』を締結しますし、入社後5年間は『身元保証人』もつけてもらいます。

  • 大森

正直なところ、人材の流動性が高い業界ではありますが……。

  • 竹下

そうなんです。だから、最初からいい人材を採用することばかり目指すのではなく、育てることも考えています。

  • 大森

即戦力採用よりも、人材育成なんですね。

  • 竹下

弊社の応募条件は、「要中型免許、高卒以上、未経験者大歓迎! PC操作が出来る方歓迎!」となっています。

先日、30代の青年が応募してきて、面接で「PCできませんがいいですか」と言うんです。いいんですよ、応募の必須条件ではないんです。でもね、今の世の中PCできないと困るでしょう? 

それで、僕、思わず言ったんですよ。「君ね、30代で自分の限界決めるの?やめようよ。この先何十年も『PCできません』って言い続けるの? だったら今やろうよ、そうしたら次の職場で面接受けるときに『PCできます』って言えるようになるよ」って。

  • 大森

え、「次の職場の面接」? 入社前からですか?

  • 竹下

そう。会社は合う・合わないがあるから、残念ながら辞めてしまってもしょうがない。でも、うちで仕事をすることが将来的にその人にとってのステップアップになってほしいんですよ。

人は育つんです。だから30代で、チャレンジする前に「できません」って答えを決めないでよって。チャレンジしたら、たとえ半分しか達成できなくても、その分は進歩するじゃないですか。

弊社は、仕事柄、中古パソコンを安価で入手できます。ですから、一定のキャリアを積んだドライバーには、パソコンを提供しているんです。

ホントは、業務に直結するようなことをしてほしいですが、まずは触れる機会を提供したいなと…

  • 大森

「変わらないことが苦痛」な竹下さんらしい考え方ですね。

  • 竹下

まあ、こういうこと言っていると、変わらないことを大切にしている人たちから抵抗されるんですけどね(笑)。業界に先駆けてWEBサイトを充実させたのも、今回、企業理念を見直してみたのも、自分が進歩したい、変わりたいからです。

で、大森さんとリスクマネジメントについていろいろ話しながら、企業理念を一から考え直してみたんだけど、やはりこれかな、と。

  • 大森

「不安を安心に変える」(5)ですね。

(5)

弊社では経営理念、行動基準を定めています(※下記ページをご参照ください)。この経営理念はお客様への誓約であり、弊社役職員全員で厳守してまいります。

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  • 竹下

そう。処分に困るゴミを抱えて、これ、どうやったらいいんだろうと思ったときや、きちんと処理してもらえるんだろうかと不安になった時に、僕のことを思い浮かべてほしいんです。

そのお客様のために、一番いい方法を探して提案し、安心していただくのが僕の使命。そのために会社も仕事のスタイルもどんどんイイ方へ変えていく。そんな仕事をしたいと思っています。

  • 大森

業界のイメージを変えるためにも、一緒に頑張りましょう。