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コラム 賢人の思考 ~ 「懐かしい」は大人だからこそ ~
2024.10.15
2024.10.15
公認心理士でコラムニストの熊倉百音子氏に「懐かしむ」ことについてコラムを書いてもらいました。
みなさんは懐かしむことがありますでしょうか。
私は仕事が忙しく、昔を懐かしむ余裕が最近ありません。
懐かしむことで、心を穏やかにする効果があるのではないかと、コラムを読んでいて感じました。
みなさんもこのコラムを読んでホッとしてください。
【筆者】熊倉 百音子 氏(Motoko Kumakura)
【プロフィール】
東京生まれ 株式会社クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役
公認心理師/ドイツポジティブ心理学トレーナー
九州歯科大学 非常勤講師
『心理学を日常に活かす。質の高いコミュニケーションの方法と効果を実践的に伝えています』
コラム:「今日もココロをストレッチ」連載 2022.8~2023.7(秋田魁新報 他2紙)
著書:「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむ デンタルコミュニケーションメソッド」(共著 医歯薬出版社)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了
テーマ:「懐かしい」は大人だからこそ
つい先日、たまたま立ち寄ったカフェに流れている音楽は、その昔聞き覚えのある曲ばかりでした。
80年代にまだ10代だった自分がよく聞いていた懐かしの音楽。面白いもので、聞けば一気にその頃の思い出がよみがえりました。
何十年も前のヘビロテ曲の記憶が鮮明なのは、そこに自分の物語が乗っているからです。
「初めてのボーイフレンドと一緒に海で聴いた曲」は、つい最近の単なる流行り曲よりもしっかり記憶に残るもの、それがたとえ何十年も前のことであっても、です。
その時の風景や匂い、交わした言葉や感情までも細かに思い出したりできるのは自分が体験した思い出とセットだからです。
ある記憶を覚えている、覚えていない、の違いは主観的な体験があるかないかによるんですね。
年齢を重ねた大人が昔のことを思い出すとき、10代から20代くらいまでの年代、いわゆる青年期で経験した出来事を思い出しやすいといわれています。
この現象は「レミニッセンス・バンプ(reminiscence-bump)」と呼ばれています。
人が人生の中で初めて経験することや重要な出来事が多いのは10代・20代の時期です。
確かに進学や就職、恋愛、結婚など自分の人生を決める大きなライフイベントがたくさんあります。
そうした昔の出来事を思い出すと自然と懐かしさを感じます。
この「懐かしい」という感情は繊細で複雑なものです。
楽しかったな、良かったなといったポジティブ感情と共に過ぎ去ってしまった過去への寂しさ、喪失感など多少のネガティブ感情が入り混じった「ビタースィート」な味わい、これはまさに大人ならではのもの。人以外の動物にはない感情なのだそうです。
人が「懐かしい」に浸っているとき、幸福感(well-being)は向上し、孤独感は低下して社会的なつながりを実感できる、といった心理的な効果があることが報告されています。
過去を振り返り、懐かしむという行為は年老いた証拠のようでイヤだという人もいますが、むしろ私も含めた中年期以降の人々には必要な感情のようにも考えられます。
人生の良かったこともそうではないことも、両方を経験したからこそ感じる感情として浸ってみるのもたまにはいいのではないでしょうか。
「懐かしい」と思える過去が自分の中にあるのは幸せなことと考えることもできます。
自分のこれまで生きてきた道を振り返って肯定しているからこそ、「懐かしい」と思えるのです。
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