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コラム 賢人の思考 ~ 私が考えるマネジメントに最も重要なこととは その2 ~
2023.07.24
2023.07.24
鈴木祐子氏に今回もマネジメントの続編を執筆いただきました。役職がある・ないではなく、後輩が一人でもできたらマネジメントが必要となりますし、子供ができてもマネジメントが必要となります。
さらには自分自身をマネジメントすること、実はこのことが忘れられがちです。自分が幸せになって、初めて他人も幸せになれる。
ぜひこのコラムからマネジメントとは何なのかを知っていただきたいと思います。
○筆者プロフィール
鈴木 祐子
長崎県五島列島生まれ。看護師、保健師。
福岡県の聖マリア学院大学の看護学部を卒業後、県立長崎シーボルト大学の看護栄養学部へ編入。地域保健を学び、卒業と同時に保健師の国家資格を取得。
2003年上京し、都内大学病院にて10年間勤務、その後訪問看護師を6年経験後、ホスピス施設にて主任、看護管理者として緩和ケアに携わる。
現在大田区にてホームホスピスの設立準備中。
テーマ: 私が考えるマネジメントに最も重要なこととは その2
前回「私が考えるマネジメントに最も重要なこと」=「セルフマネジメント力」であるという考えを述べさせていただきました。
多様化が尊重される中、本当の意味で自分自身の特性や資質をわかっている人はどのくらいいるのでしょうか。
自分自身の特性や資質をわかり、それをアピールする、自分自身の強みを生かす、ということができている人はどのくらいいるのでしょうか。
・私はこういう仕事がくるとモチベーションがあがる、ワクワクする
・私はこういう仕事は特に好きではないが得意だから難なくこなせる
・私は話すよりテキストにする方が得意である
・私は話すことが得意であり、人の気持ちをその気にさせることができる
・私は人の話を聞くことが得意であり、話の要点を素早く理解できる
・私は数字を読むことが得意である
・私は数字を読むことは苦手であるが入力することは得意である
・私はチームの中で協調性を発揮し、指揮することが得意である
上記のようなことを分析するツールにアメリカのギャラップ社が出した「ストレングスファインダー」というものがあります。これは一般的に「強み診断テスト」と言われています。ギャラップ社は数十年にわたって「人間の強み」に関する調査・研究を続け、その結果を元に成功する人々に共通する34の資質を言語化しました。ギャラップ社の調査では、自分の強みを活かすことに意識を集中している人は、「生活の質が非常に高いと報告する確率が3倍高い」「仕事に積極的に取り組む確率が6倍高い」「毎日の生産性が7.8%向上している」と言われています。(興味がある方はWebや書籍ですぐに診断できます。)このようなツールを使って自分自身の強みを知ることは「セルフマネジメント力」を養うことに繋がり、仕事だけに限らず、自分自身の人生の質を豊かにすることにも繋がると思います。
私は社員時代、仕事への向き合い方があいまいで、自分の人生を人任せにしている方が多いのではないかと感じました。不満のほとんどが会社や人のせいしていることが多かったからです。私は「え、それ知っていて入社したよね?」「え、それもとから決まっていたことだよね?」みたいな疑問がよく浮かんできました。会社という組織に入った以上、最低限、会社規定には従わなければなりません。ただ、働き方改革により社員の声を取り入れている企業も多くなってきています。自分の人生なのですから会社を変えるように働きかけてみる、会社規定や雇用契約の範囲内で自分のやりたいことをアピールする、自分の得意なことをアピールする、そのようなことはできると思います。やれることをやってみても、やはり思った会社と違ったのなら自分にあった会社へ転職する。これが「自立」であり、自分の人生に責任を持っている状態といえます。
また、これは仕事上のストレスを減らすことにも繋がるため疾病の予防=「セルフケア」にもなります。私は「セルフマネジメント」+「セルフケア」で自分自身の人生を最も豊かにできると考えます。「セルフマネジメント力」があってもセルフケアができないと途中で力尽きてしまうことがあります。こういう時自分は落ち込みやすい、私はこういうことをすると元気がでる、私は週1回一人の時間が必要だ、私は気の合った仲間と話すことでストレスが緩和される、など自分の資質とともに特性を把握することも大切です。特性を知るには心理学モデルの自己分析ツールの一つであるジョハリの窓を活用することも良いかと思います。ジョハリの窓ではこれまでに見えていた自分と見えていなかった自分の両方を確認でき、自己理解が深まり、自分自身を客観的に見ることができるようになります。
そして、マネージャーに求められる最大の要素は「セルフマネジメントができる社員を増やしていく」ことであると私は考えます。そのためには部下との対話を積み重ね、部下の特性や資質を知り、それを生かしていく。そして部下をどれだけ輝かせることができるかが鍵となります。これは部下の自己効力感を上げることにもなります。自己効力感が上がるとより積極的に、より主体的に仕事に取り組むことができるようになります。また、マネージャーはセルフマネジメント力がお互いに高められる組織、チームにしていくことが求められます。このような企業は生産性が必然と高くなると考えます。セルフマネジメント力が高い部下を増やしていくとマネージャーは部下を管理、統制する必要がなくなります。
ここでティール組織について触れたいと思います。ティール組織とは、経営者や上司などが、部下の業務に関して指示出しや管理を行わなくても、組織に所属するメンバーが主体となり目的達成のためのアクションを起こす組織のことです。2014年にフレデリック・ラルーが著書である「Reinventing Organizations」内で紹介したことをきっかけに、この考えが広まりました。
ティール組織を確立させた代表的な事例に2006年に設立されたオランダの非営利団体ビュートゾルフがあります。ビュートゾルフは在宅介護支援の新しいモデルを提供する組織として、24ヶ国に850チームが存在し、1万人以上の介護士が所属する組織となっています。そしてそのチームにはマネージャーが存在しておらず、ティール組織として実際に機能しています。
フレデリック・ラルーはティール組織を導入するメリットに「メンバーの主体性が強化される」「業務効率が向上する」「柔軟性の高い組織になる」という点があると言っています。また、ティール組織において欠かせない要素の一つに「セルフマネジメント」があると言っています。その他の要素には「ホールネス(全体性)」「エボリューショナリーパーパス(存在目的)」があります。
ティール組織では1人ひとりが組織のルールや仕組みを理解して創意工夫し、意思決定をする必要があります。そのため、従来型の組織から転換するには、根本的な改革を要し、かなりハードルが高いのですが多様化を尊重した社会では理想的な組織形態であると私は考えます。
みなさんは自分自身の特性をどの程度知っていますか?
みなさんの「セルフマネジメント力」は十分に発揮できていますか?
私はマネージャーになる方々全員にこの認識と理解が必須だと考えます。
そこを経てから人や組織をマネジメントしていけるのではないでしょうか。
(参考サイト)
①ギャラップ社 ストレングスファインダー
https://www.gallup.com/cliftonstrengths/ja/253661/CliftonStrengths.aspx
②ジョハリの窓
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