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コラム 賢人の思考 ~ 快と不快~歯医者さんがもっと好きになるには? ~
2022.10.17
2022.10.17
私たちは嫌なことを後回しにしがちですが、どうしたら後回しにするクセが治せるのでしょうか。熊倉 百音子 先生の今回のコラムを通じて、後回しにするクセの治し方やヒントをつかんでいただければと思います。得する話しですので、ぜひ最後までお読みください。
【著者】
熊倉 百音子 氏
【プロフィール】
東京生まれ ㈱クオリティ・アンド・バリュー代表取締役
医療系専門学校にてコミュニケーション授業を担当する講師
新聞コラム連載中「今日もココロをストレッチ」
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了
立教大学社会デザイン研究所 研究員 (TEAM DIAGRAM所属)
「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむデンタルコミュニケーションメソッド」(医歯薬出版社・共著)
テーマ:快と不快~歯医者さんがもっと好きになるには?
歯医者さんって苦手、という人は多いです。はい、私もそのクチです。長年歯医者さんと仕事をしていて多少は慣れましたが、正直言ってまだ好きではありません。原因を考えると、まずは口の中という最も繊細な部分を無防備な状態でいじられることが本能的に怖い。歯を削られたり、歯茎に穴をあけられたり、大事な頭部の一部分をキッタハッタすることに生命を脅かされる感があるのですね。
「歯医者=なるべくいきたくないところ」というイメージが根深く残っている人は未だに多いです。恐らく、年齢が上の方ほどその感覚は強い。なぜならば、昔は歯医者さんに行くのは虫歯が痛くなってから、でした。意を決して行くと、「なんでもっと早く来なかった!」とか「歯磨き、ちゃんとしてないね?」とか先生に怒られた上に、さらに痛くて怖い治療をされた、という不快の記憶があるから、です。
少し歯科界のお話をすると、昔は歯を削ってナンボの時代がありました。「歯が悪くなってから行く」=「痛くて怖い治療」の繰り返し。そりゃあ、行きたくなくなります。けれども、歯医者さんも今やメンテナンスの時代。幼いころから歯磨きを徹底されて虫歯になる確率はぐっと減りました。加えてインターネット等の普及により、歯の健康に関する有用な情報が手に入りやすくなりました。医療全体が予防へと舵を切っている今、歯や口の中の健康が全身に影響を及ぼすことはよく知られてきました。歯科も虫歯や歯周病になる前のお手入れ=メンテナンスを重要視しています。健康な人でも3~4ヶ月毎には医者に行って歯垢除去や状態チェックをしてもらうことが、高齢化時代の目標「8020運動」(80歳になっても20本の歯を残す)に繋がるようです。
最近は虫歯でなくとも幼い頃から歯科通いをしているお子さんは多いです。「怖くて痛い」経験をしていない子どもは歯医者さんを嫌がりません。
むしろ「ちゃんと来てえらいね」「よく磨けているね」と褒められ、メンテナンス後にも「すごくきれいになったよ」「気持ちよかったね」と声をかけられ楽しくて気持ち良い経験を重ねると、歯医者さんに行くことはその子にとって「快」になります。こうなると、自分から歯医者さんに行きたがる。治療台にもどんどん乗って来て、パカッと口を開けて歯医者さんを待ってるお子さんも多いのだそうですよ。
人にとって「怒られる・痛い・怖い」は不快な経験なのでその行動は避けて通るようになるし、逆に「ほめられる・気持ち良い・きれいになる」は快の経験なので行動は増えていきます。
これは歯医者さんだけではなく、私たちの身近な問題解決にも応用できます。「食事制限が出来ない」「運動を継続できない」「後回しクセ」などの問題行動にはなんらかの「不快」原因があってそれを避けていることが多い。「ご褒美=快」を工夫して行動を変える仕組みを意識的につくることで結果が変わってきます。
問題行動の解決を考えるとき、つい「出来ていないこと」に焦点を当てて悩みを増大させてしまうことも多いのですが、逆にすでに「出来ていること」に注目してみましょう。「成功要因」を分析することは問題解決のヒントとなります。
歯科が苦手だった私も自分なりの「快」によって少しずつ変わってきています。3か月に一度メンテナンスに通えるようになったのは、ずっと自分の歯で食事をしたいというビジョンがあり、また実際にメンテナンスしたあとに口の中がスッキリする感じ、毎日寝る前に丁寧に歯磨きしたときの達成感、そうした小さな「快」を積み重ねが行動変容へのエンジンです。「快・不快」は人それぞれなので、自分なりの「快」の要素を知っておくこともヒントになります。
以上
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