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コラム

コラム 賢人の思考 マネジメントについて考えるvol.2 ― 「対話」が良い対人関係と良い職場をつくる ―

賢人の思考

今回も大森 英直 氏にシリーズ「マネジメントについて考える」のvol.2をご紹介させていただきます。

前回は良好な対人関係の築き方でしたが、今回は良いコミュニケーションの形成について述べてもらいます。ぜひご一読ください。

 

○プロフィール

大森 英直(おおもり ひでなお)氏

 大森英直氏

竹下産業株式会社顧問

日本ホスピスホールディングス株式会社 戦略本部担当部長

事業創造大学院大学 非常勤講師(リスクマネジメント)

 

 

テーマ:マネジメントについて考える vol.2  ―「対話」が良い対人関係と良い職場をつくる―

 

前回のコラムでは、マネジメントについて「良好な対人関係なくして良好なコミュニケーションは生まれず、良いコミュニケーションなくして良いマネジメントはできない」という持論から、良好な対人関係の築き方の理論について紹介した。今回は、良好な対人関係をつくるためのコミュニケーションについて論じる。

 

 

コミュニケーションにも様々な形態がある

一口にコミュニケーションと言っても、討論、議論、会話、独り言、対話など、その形態は様々である。

討論はどちらが正しいのか勝敗をつけるコミュニケーションであり、議論は一定の時間内に結論を出さなければならないコミュニケーション。会話は何気なく、結論を求めないコミュニケーションで、独り言は自分と向き合って話すことで気づきを得るコミュニケーションである。その中でも「対話」は、特定の事柄をテーマとして共有し、時間をかけて話し合うことで互いに気づきを得るといった、思考を促す最も優れたコミュニケーションと言われている。

 

その「対話」の要件として、コミュニケーションが丁寧であるかどうか、横の関係(対等な関係)が築けているかどうかという注目すべき点がある。対話にかける時間を気にしていてはお互いの理解や気づきを得ることは難しく、また横の関係が築けていなければ両者が自らの考えを自由に安心して発言することができない。その2点を満たして初めて「対話」というコミュニケーションが成立するのである。

 

画像1

 

対話が成立する前提条件とは

猪木武徳(2016)は、対話こそが真理に到達する主要な方法であり、自由に語る権利は、真理への接近と「善き社会」の形成にとって欠くべからざる手段のひとつである。対話に求められるのは、一定の論理力と、相手の立場に身を置いて考えることのできる想像力であると論じている。

また、亀井善太郎(2018)は、「対話」は議論とはまったく異なる。正しさを競い合うのではなく、何か共通の目的に向かって、それぞれが見えているもの、感じていることを共有し合い、対話に参加する全体にとっての一つの方向性や合意等を探っていく試みだ。当然そこには自己変容が伴う。「議論」が相手を変えようとするのに対し、「対話」においては、自己が変わっていく。始まる前と終わった後では、自分が何かしら違うものになっているのが「対話」の特徴である。さらに、対話を成り立たせる条件の一つが、安心して語り合うことができるフラットな関係であり、そのためには「よく聴くこと」が求められる。上下関係を持ち込んでは、相手は言うべきことが言えない場合もあるであろうし、よく聴かねば、相手は本当に考えていることを話してくれはしない。相手を信じ、立場の違いを超え、よく聴く。その姿勢があるからこそ、相手が親身になって知恵を授けてくれる、そういう関係性が対話の前提となると述べている。

 

このように、対話を成立させる前提条件も学者によって様々な分析があるが、わたしは「寛容」と「多様性」の2点が対話の前提条件になると考えている。

「寛容」とは、相手を受け入れ個人として尊重することであり、それがなければ相手は安心して発言することができない(心理的安全性の確保)。さらに寛容とは、最後まで相手の言葉に耳を傾け受け止める、いわば傾聴であり、それは「忍耐」に等しいとも言える。

さらに「多様性」とは、違いは単なる違いとして間違いと考えず、十人十色と考える世界で、自分の偏見や先入観を一旦脇に置くことである。そもそも“違い”が存在しなければ、自己変容を伴う新しい“気づき”を創発することなどできない。「人は石垣」(石の形が一つ一つ違うからこそ石垣は強くなる)という武田信玄の名言があるが、それは組織でも同様である。

マネジメントサイドが、この「寛容」と「多様性」を対話の前提条件として認識した上でコミュニケーションを行えば、従業員(部下)との対話を形成することができるのだ。

 

 画像2

 

マネジメントを行う者のあるべき姿

「論語」子路篇の中で孔子は「君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」という言葉を残している。優れた者は、調和を重んじ他人と協調はするが主体性は失わないのに対し、劣った者は容易く他人におもねるが、真に他人と協調することはないという意味だ。

また、武者小路実篤も「君は君 我は我 されど仲良き」という言葉を残しており、これらの偉人の言葉は、マネジメントを行う者のあるべき姿の一つを示している。

部下一人ひとりの違いは個性として認めつつ(十人十色の世界)、その上で温かい和やかな対人関係を築くことこそが良い職場、ひいては良い組織をつくるのではないか。

 

【参考文献】

・猪木武徳、2016、「自由の思想史 市場とデモクラシーは擁護できるか」、新潮社

・大熊玄、2019、「無縁からの逃走~死が結ぶ人生」、立教大学社会デザイン研究所シンポジウム講演資料

・亀井善太郎、2018、「企業は社会の公器ーこれからの社会をつくる企業経営とはー」、PHP総研

・小林正弥、2014、「人生も仕事も変える「対話力」 日本人に闘うディベートはいらない」、講談社

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