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リスク管理よもやま話⑧ 『組織運営において最も大切なこと』

タケシタをサポートする専門家

 

 

大森英直氏に「組織運営において最も大切なこと」について書いてもらいました。

10年以上前に大森氏へ投げかけた「わが社が顧客から信頼されるためにはどうしたら良いのか?」という私の問いから、当社でもリスクコミュニケーションを導入しました。詳しくは下記URLをご覧ください。

 

竹下産業のリスクコミュニケーション活動

https://www.r-station.co.jp/trc/

[著者]大森 英直 / Hidenao Ohmori

リスクブランディング株式会社 代表取締役

立教大学大学院(MBA)修了

 

現在、事業創造大学院大学 事業創造研究科、開志専門職大学 事業創造学部で講師として教鞭をとる傍ら、2022年からリスクマネジメント×ブランディングを融合したコンサルティングサービスを提供するリスクブランディング株式会社を創業。現在、上場企業をはじめ多くの企業でリスクマネジメントによる組織改革や新規事業立上げなどの経営支援を行っている。

リスク管理よもやま話⑧ 『組織運営において最も大切なこと』

前回はリスクについて解説しましたが、今回は組織運営をする上で最も大切なことについてお話しさせていただきたいと思います。

 

~ 目次
(1)リスクマネジメントの分野は3つある
(2)組織をまとめるために一番大切なのはコミュニケーション
(3)リスクコミュニケーションを組織運営に導入するポイント

 

〇 リスクマネジメントの分野は3つある
リスク学を研究する私の持論ですが、リスクマネジメントには大きく分けて3つの分野があると考えています。
① 「狭義のリスクマネジメント」
災害・事故・不祥事の予防策について事前に検討し備えておく分野です。東日本大震災以降よく耳にする防災もこの分野に入ります。
② 「リスクファイナンス」
災害・事故・不祥事が起こった際の財務インパクトを想定し、危機発生時に資金調達をどのような手段で行うのか事前に検討しておく分野です。東日本大震災発生後3か月で企業の倒産件数がピークに達し[1]、その後も二重ローン問題が企業経営の障害になったことから[2]、お金についても考慮しておかなければなりません。
③ 「リスクコミュニケーション」
組織が抱える課題やリスクについてステークホルダー(組織内外の利害関係者)と対話を行う分野です。ステークホルダーには顧客や取引先はもちろんのこと、従業員や組合員といった組織内の構成員も含まれます。危機発生時に組織内外のコミュニケーションが上手く取れなかったために、組織の信頼を失墜させた事例は数多くあります。平時からリスクコミュニケーションの活動を行っていなければ、危機に直面した際に上手く対応することはできません。
なお、文部科学省(2014)はリスクコミュニケーションを「リスクをより適切なマネジメントのために、社会の各層が対話・共考・協働を通じて、多様な情報および見方の共有を図る活動」と定義しています。[3]

 

○組織をまとめるために一番大切なのはコミュニケーション
リスクマネジメントの分野は3つあると前述しましたが、組織をまとめるためには何が一番重要か、組織論から考えてみたいと思います。

下記の【図1】をご覧ください。実際の組織は、上の図のような一次元的なものではなく、下の図の円錐形のように三次元的なもので構成されています。
横に組織の壁があり、上にも組織の壁や天井があるため、規範(判断・行動の拠るべき基準)さえ定めれば組織を縦横無尽に上手くまとめることが出来るかといえば、そうとは限らないのです。
みなさんが所属する組織を思い浮かべてください。行動指針や就業規程といった規範が定められていても、それらから逸脱した行動をとる人が必ずいたはずです。組織論では、規範だけではなくコミュニケーションを併用することで、はじめて組織をまとめる(統合できる)ことが出来ると論じています。

【図1】組織をまとめるのに必要なもの

例えば、BCP(事業継続計画)という規範を作っただけでは、危機発生時に上手く対応出来ないと思います。上手く対応できるようにするためには、BCPの策定と併せて、リスクをテーマとした対話・協議の場や演習を行うなどといったリスクコミュニケーションの場や機会をつくる必要があります。

 

○リスクコミュニケーションを組織運営に導入するポイント
私はリスクコミュニケーションについて10年以上研究し、竹下産業株式会社をはじめ多くの企業で実践して参りましたが、リスクコミュニケーション導入に一番良い方法は、委員会を設けることだと考えています。職員が委員会活動の中で、組織が抱える課題やリスクについて定期的に検討する場を設けることで、下記の効果・効用を得ることができました。[4]

① 職員の知識獲得力・傾聴力・コミュニケーション力・応用力・探求する意欲といった能力を伸ばすことが出来た。
② 委員会活動をホームページで発信することで、ホームページ全体のアクセス数を伸ばすことが出来た。
③ 企業の信頼性が向上し、さまざまな組織やマスコミからの問合せが増えた。

これらの効果・効用については、後のコラムで詳しく述べたいと思います。委員会活動をつくり、リスクコミュニケーション活動を行うことこそ、組織が抱える様々な課題に向き合う第一歩になると私は信じて疑いません。

この機会にぜひ、みなさまの組織でもリスクコミュニケーションの場をつくってみてはいかがでしょうか。

 

[1] 東京商工リサーチ “震災から7年”「東日本大震災」関連倒産状況

[2] 中小企業家同友会全国協議会 東日本大震災復興推進本部研究グループ「REES」 2013年1月調査実施に対する『被災地企業の実態と要望調査報告書』

[3] 安全・安心科学技術及び社会連携委員会、2014、「リスクコミュニケーションの推進方策」,pp.2

[4] 大森英直、2018、「中小企業におけるリスクマネジメント普及に関する研究」、立教大学大学院修士論文にて検証

 

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