-
コラム 賢人の思考 ~ 「生きがい」について~1,生きがいと長寿 ~
2024.12.02
2024.12.02
「ikigai(生きがい)」という言葉は今や世界共通語となっているのを知ってらっしゃいますか?公認心理士の熊倉百音子氏に「生きがい」について書いてもらいました。
幸せに生きるヒントをコラムから探ってみてはどうでしょうか?
【筆者】熊倉 百音子 氏(Motoko Kumakura)
【プロフィール】
東京生まれ 株式会社クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役
公認心理師/ドイツポジティブ心理学トレーナー
九州歯科大学 非常勤講師
『心理学を日常に活かす。質の高いコミュニケーションの方法と効果を実践的に伝えています』
コラム:「今日もココロをストレッチ」連載 2022.8~2023.7(秋田魁新報 他2紙)
著書:「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむ デンタルコミュニケーションメソッド」(共著 医歯薬出版社)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了
タイトル:「生きがい」について~1,生きがいと長寿
今回から2回にわけて、「生きがい」について考えます。
超高齢化社会ニッポン。日本人の寿命はいまだに延びていて2023年の統計調査では、平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳と前年に比べて男女ともにさらに長生きになっています。
年々長くなる寿命に、「この先どんな生き方・働き方をしたいか」は中年期以降の大きなテーマになってきました。おそらく誰もが人生の正午を過ぎたあたりから、これまでの生き方・働き方を振り返り、これからの「生きがい」について考えることが多くなるようです。
「生きがい」とは『生きる』というそのままの意味と、報酬、価値、有意義なことを意味する『甲斐』が組み合わされた言葉です。そしてさらに、「生きがい」は対応する英単語が見つからない、独自性の高い言葉です。 アフリカのワンガリ・マータイさんが提唱した、「もったいない」(MOTTAINAI)や国連のアントニオ・グテーレス事務総長が日本文化として世界に紹介した「金継ぎ」(KINTSUGI)のように、「IKIGAI」は日本人の人生観・美意識が詰まった、実に日本らしい、唯一無二の概念なのです。
「生きがい」は幸せな長寿と深く関係しています。
100歳を超えた長寿のお年寄りのことを、敬愛を込めてセンテナリアン(Centenarian)と呼ばれ、医学や心理学でも盛んに研究されています。元気で活力あふれるセンテナリアンが多く住む地域は、ブルーゾーンと呼ばれある特定の地域に多く存在していることがわかっています。具体的にはイタリアのサルデーニャ島、アメリカのカリフォルニア州のロマリンダ、コスタリカのニコヤ半島、 ギリシャのイカリア島、そして日本の沖縄の5か所です。
アメリカの長寿研究者で作家のダン・ビュートナー氏(Dan Buettner)はこのブルーゾーンに暮らすお年寄りたちの長寿の要因を調査しました。
ここでは沖縄について取り上げますが、沖縄のセンテナリアンの生活習慣は実にシンプルです。季節の野菜を中心にした土地の伝統的な食事を「腹八分」、早寝早起き、軽い負荷がかかる肉体労働、なんらかの信仰、楽しく集うコミュニティがあること、などがあげられました。
そして、多くのセンテナリアンが自分なりの「生きがい」をもって生きていました。
例えば
102歳の空手の達人は「毎日空手の技術を磨くこと」
100歳の漁師は「週3回家族のために魚を捕りに行くこと」
102歳の女性は「101歳年の離れた曾孫の小さな孫娘を抱くこと」
こうしてみると「生きがい」とは社会を変えるような大きくて壮大なものである必要はありません。ごく個人的でささやかなもの、そして喜びに満ちたものだとわかります。
作家の村上春樹氏は、“ささやかだけれども確かな幸せ”を「小確幸」と呼んで大事にしていました。例えば、休みの日に自分で入れるコーヒーと家族や大切な人とゆっくり味わう時間、とか。小さいけれど大事にしたい、自分なりの幸せです。
そうはいっても「IKIGAI」を見つけるのはなかなか難しい、という方のためにビュートナー氏はいくつかのヒントをくれています。
第1に”好きなこと”
第2に”得意なこと”
そして第3に”自分の価値観を表現できること”
この3つのカテゴリーに共通することが「生きがい」になる可能性が高い。
それぞれ自分にとって当てはまる趣味や仕事、行動などをリストアップしていくと見つかります。時間のあるときにぜひ、やってみてください。
次回につづきます。
参考文献
・「IKIGAI~日本人だけの長く幸せな人生を送る秘訣」Ken Mogi (茂木健一郎著)
・TED(youtube)「How to be live to be 100+」Dan Buettner https://digitalcast.jp/v/13593/
タケシタの公式Facebookにいいね!する
タケシタのサービスについての創意工夫や仕組みについて説明します。
さまざまな専門家の方々に、「賢人の思考」と題しコラムを寄稿いただきます。
noteでも記事を連載中です。ぜひ合わせてご覧ください。
弁護士・行政書士をはじめとする各種専門家にサポートして頂き、より良いサービスを提供できる体制を整えてまいります。
竹下産業の広報部からのレポートです!
オフィスの情報媒体処理は、
タケシタにお任せください
03-3887-1761
営業時間/9:00~17:00
東京都(保管積替含む) 千葉県 神奈川県 埼玉県 茨城県 栃木県 群馬県 山梨県 長野県 静岡県 愛知県 大阪府
東京都 千葉県 神奈川県 埼玉県 茨城県 栃木県 群馬県 山梨県 長野県
※「T-CUBE」は竹下産業株式会社の商標登録です