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コラム 賢人の思考 ~ 過去をふりかえる ~
2024.09.26
2024.09.26
公認心理士でコラムニストの熊倉百音子氏に「過去をふりかえる」というテーマで執筆いただきました。
過去の「失敗」がどのように私たちに影響を与えているのか改めて考えさせられました。
最近読んだV・E・フランクルの本の中の言葉を想い出します。
「人は楽しみのために生きているのではない」「苦悩で意味なる人生を実現する」と。
とても読みやすいコラムですので、ぜひご一読ください。
【筆者】熊倉 百音子 氏(Motoko Kumakura)
【プロフィール】
東京生まれ 株式会社クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役
公認心理師/ドイツポジティブ心理学トレーナー
九州歯科大学 非常勤講師
『心理学を日常に活かす。質の高いコミュニケーションの方法と効果を実践的に伝えています』
コラム:「今日もココロをストレッチ」連載 2022.8~2023.7(秋田魁新報 他2紙)
著書:「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむ デンタルコミュニケーションメソッド」(共著 医歯薬出版社)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了
テーマ:過去をふりかえる
「過去をふりかえる」ってどんなイメージがあるでしょうか。
「あの頃はよかった・・・」と過ぎ去った日々を懐かしむ、ちょっと感傷的なイメージ?または、「あの時、ああすればよかった」と後悔のイメージ?
一般的には少しうしろむきで停滞感のイメージがあるようですが、前を向けるようになるふりかえり方もあります。
先日、大学生に自分のキャリアの話をする機会がありました。
大学時代からこれまでの話とレジリエンスのワークショップを合わせて約1時間、大学の授業として行いました。
いま、わたしは50代ですが、20代、30代・・・と年代ごとに
就職、結婚→離婚、再就職、病気や大学院進学など大きなライフイベントや出来事があり、我ながらなんとか頑張ってきました。
当時は「失敗した!」と思っていた出来事は、いまふりかえると面白いことに見方が変わっているんです。「失敗」といえば「失敗」なんですが、それ以上に今の仕事やライフスタイルに繋がっている貴重なターニングポイントとなる出来事だった、と思うことが多く、ちょっといい気分になりました。
今回は授業の中で若い学生たちにも失敗や大変だった出来事を含めてこれまでの人生をふりかえってもらいました。
そして、
「その時自分はどうやって乗り越えたのか」
「自分だけではなく周囲の人はどうだったか」
この2つの質問を投げかけました。
何人かに話を聴くと
「いろんな人に支えてもらってきたとわかった」
「自分の強みは○○○だとわかった」
「今振り返ると大した出来事じゃなかったなと思えた」
と、それぞれの話をしてくれました。
これは心理学でいうところの、レフレーム(re-flame)という状態です。
ものごとの見方の枠組み(flame)が変わる、という意味で、私たちは日常的によく経験していることです。
例えば、人前で話すことが苦手だと思っていた学生が、半ば強制的に大勢の前でのプレゼンをしてみたら思いのほか賞賛された、その経験が「話すことは苦手」という自分に対する見方がリフレームされて「案外、わたしって話せるかも」と変わった、なんてことです。
さらに、「話せるかも」と自覚するとそれは強みとして自己効力感に繋がり、心のレジリエンス力も高まるというわけです。
私たちは年をとればとるほど、ある種の思い込みや凝り固まったものの見方をしがちです。
目の前にはいくつもの選択肢があり、自由に選べるのだ、と気が付くことがリフレームの効果。
自分の過去に対しての意味づけも同様で、単なる「辛い出来事」として思い出したくない傷にしておくか、「学びの体験」として捉えなおすかは自分次第です。
ものごとの見方や出来事への意味づけというものは時間が経つと変わっていくものです。
それはその人自身が変わった、ということでもあり、それが人の「成長」というものだ、と私は思っています。
「成長」は子どもだけのものではなく私たち大人だって「成長」するんですよ。
「過去をふりかえる」ことは、自分が生きてきた過去をその先の未来に活かしていくために必要なプロセスなのかもしれない、と思えるのです。
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