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コラム

コラム 賢人の思考 ~時には立ちどまり、振り返ってみよう~

賢人の思考

石川雄一先生に「時には立ちどまり、振り返ってみよう」というテーマでコラムを執筆していただきました。

石川先生のご指摘のとおり、電車の中でスマートフォンをいじっている人が数多く散見されます。

人間はスマートフォンから多くの情報を得る代わりに、考えることを放棄したのかもしれません。

考えることで強くなる人間のはずが、考えないことでどうなるのか?不安を感じざるをえません。

ぜひ読んでみてください。

【著者】

石川 雄一 氏

石川 雄一 氏

【プロフィール】

慶應義塾大学経済学部卒業後、東京海上火災保険株式会社(現:東京海上日動火災保険㈱)に入社。主に国内営業畑を歩み、近畿業務推進部長、札幌中央支店長などを歴任

55歳で自動車メーカー保険代理店の常務取締役となり、経営と人材開発に尽力

退任後、大型自動車メーカー関連会社参与を経て退職

2017年に立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科入学し、2019年3月に修士課程修了。MBA(経営学修士・社会デザイン学)

現在立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士課程に在籍し、企業組織に関する研究の傍ら、セミナー講師など精力的に活動している

 

 

テーマ 時には立ちどまり、振り返ってみよう

 

筆者は体力維持のために、週2回ほどジムで有酸素運動と筋トレをしている。コロナが明けてからは、トレーニング終了後にサウナに入るようになった。サウナ室では熱さのため、気を集中せざるを得ない。スマホも本も持っていないから、考えることぐらいしかできない。そこで気付いたのだが、じっと熱さに耐えていると、不思議と頭の中が整理できてきて、ちょうど12分間、文章がおよその起承転結に至るのだ。たとえば気になっているプレゼン用の文章などである。

 

振り返ると最近は周囲に気が散って、まとまって考えることが少なくなった。パソコンの前に座っても、なかなか集中できない。昔から思考にはきっかけがある、哲学の道を散歩しながら思索をした知識人がいたようだし、トイレに座るとアイディアがひらめく、などの話もある。

 

電車に乗って気付くのは、大半の人がスマホを凝視していることだ。もちろん重要な連絡などもあるだろう。しかしニュースやファッションをチェックしたり、ゲームをしている人も散見される。スーツ姿のおじさんが麻雀ゲームをしているのを見たことがある。その時間も給料が支払われているのだ。

 

今や小さな子供までスマホを日常的に見ている。一日のどれだけの時間だろうか。確かに様々な情報をチェックできる大変便利なツールである。しかしそれは受け身の時間である。知識や情報をインプットすることにどれほどの意味があるのか。クイズ番組で優秀なタレントが、多岐にわたる知識を披露する。それにどんな価値があるだろうか。知識ならばAIにかなうはずがない。情報過多の時代、常に何らかの情報にさらされているが、多くが受動態であってインプットばかりの時間である。考える時間はどこにあるのか。AIができないことは、自らの頭脳で考えることだ。考えることは楽しくないことだろうか。

 

自転車競技ツールドフランスのトップ選手が、歩行困難になったという話を聞いた。自転車では膝から下、歩くための筋肉はほとんど使わない。人間の身体は、使わない機能は必要ないと判断して退化するようにできている。歩かなければ歩けなくなる。脳はどうだろう。使わなければ劣化するのではないか。毎日ルーティーンをこなすだけの生活では、考える必要が生じない。インプットばかりでは、脳は退化してしまうだろう。

 

今日求められている人材は、アウトプットができる人だ。インプットはAIでもできる。考える時間が減れば、アウトプットする能力が衰えてしまはないか心配である。

 

さて前回、他者を理解することは難しい、いや不可能だ、なぜなら自分のことすら分からないのだから。こんなことを書いたのだが、反論する人はいるだろう。自分のことは十分理解している、何を言ってるんだと。

 

ほとんどの人は(特に女性は)毎日鏡で自分の顔を見ている。じっと凝視しながら、今日の肌艶はどうか、髭の剃り残しはないか、化粧ののりはどうか、入念にチェックしている。自分の顔は、見飽きるほど見ている。

 

少し下がって、鏡に向かい右手を上げたら、鏡の向こうの自分は左手を上げている。左右は逆さまになるのだが、上下は変わらないことは誰でも知っている。スマホ初期のころ、自撮り写真は修正しないと左右逆であることを知らなかった。背景の看板の文字を見てはじめて気付いたのだ。

 

鏡に映った自分は、裏返しである。他人が見る顔とは違い、あなたの本当の顔ではない。自分で手や足を見ることは出来るし、鼻や口も少しは見える。しかし自分の正しい顔全体を見ることは一生不可能だと気づいたとき、自分は誰なのか問わずにはいられない。他者は私をどのように見ているのだろうか。他人が言う自分への評価、例えば表情が明るい、暗い、声が大きい小さい、最近太った?やせた?・・・自覚している自分とは必ずしも一致しないことが多い。動画で、しゃべっている自分を見て違和感を覚えた経験はないだろうか。自分の声は、自分の耳に聞こえる声とはかなり違うと感じないだろうか。

 

自分は明らかに今ここに存在する。手足を見ながら確認する。顔は見ることができないが、ここにいると脳は知らせてくる。この自分は、これまで長い年月存在してきたが、いつかは確実に死ぬ。その時にはこの意識はどうなるのか。この世界から消滅するのだ、と考えて愕然とする。そんな経験は無いだろうか。

 

日常生活で考えることは沢山ある。差し迫ったテーマを悩まなくてはならないかもしれない。テーマはそれぞれ多様である。しかし誰でもが共通して持つ問いがある。それは自分の存在についてである。アイデンティティという言葉はもはや日本語になっている。自分のアイデンティティとは何だろうか、あらためて考える時が必要だと思う。人は人間関係において生きており、無人島に棲んでいるわけではない。人間関係において自己のアイデンティティを確認し、それを確立し心の安定を保つ。アイデンティティが浮遊した状態は、心が不健康で、メンタルの病への寸前に立たされている。

 

時には立ちどまり、鏡に映った逆さまの自分に語りかけたい、「君は誰なんだ?」

 

※アイデンティティ・・・さまざまな個性をもつ他者・社会との関わりにおける自分らしさ

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