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コラム 賢人の思考 ~ ストレスとうまくやっていく 4 ~
2023.06.19
2023.06.19
好評連載中「ストレスとうまやっていく」の第四回目となります。人は悩む時に妄想を思い浮かべがちです(仏教では煩悩ともいいます)。それをポジティブ心理学では「犬」と名付けて7種類に分類していることをはじめて知りました。悩みにも色々な種類があることを知ることで、悩まないですむ方法を身に付けられるかもしれません。バックナンバーも当サイトで読めますので、継続して読んでみてはいかがでしょうか。
【著者】
熊倉 百音子 氏
【プロフィール】
東京生まれ ㈱クオリティ・アンド・バリュー代表取締役
医療系専門学校にてコミュニケーション授業を担当する講師
新聞コラム連載中「今日もココロをストレッチ」
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了
立教大学社会デザイン研究所 研究員 (TEAM DIAGRAM所属)
「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむデンタルコミュニケーションメソッド」(医歯薬出版社・共著)
テーマ:
ストレスとうまくやっていく 4
自分のストレス状況を知る、意識的に気分転換の方法を日常の中に組み入れる、ということがストレスケアの第一歩、自分に合ったリフレッシュ方法で乗り切ろう、というのが前回のお話でした。
第4回目は、ストレスを感じる原因について少々深掘りしてみましょう。
前回のおさらいです。ストレスを感じる状況はこんな感じでした。
◆通りの喫煙スペースの前を通った時に煙を直接浴びた。嫌な気分
◆外国人観光客が多い街中、飲食店が混んで待ち時間が長くなってイライラした
◆季節の変わり目に就寝リズムが狂って日中ぼんやりする
◆打ち合わせの予定が直前に1時間以上ずれ込んでイライラした
最初に挙げた「通りの喫煙所の前を通った時に煙を直接浴びた。嫌な気分」を考えてみます。
この時の状況をもう少し詳しくお話しすると、
街中の喫煙スペースで3人の男性がタバコを吸ってるのを見て「嫌だな」と思いました。避けて通ることも出来ましたが目的地に行くには最短距離、「仕方ない」と諦めて急ぎ足で前を通り過ぎました。通ったあと、なんとなく煙の臭いが鼻に残っているような気がして不快な気分は数分続きました。
タバコの煙を臭いと感じることが嫌な気分を引き起こしています。けれどももう一段、この嫌な気持ちを深堀りしてみると、煙がイヤというよりもタバコを吸う人そのものに批判的な気持ちがあることに気付きました。かつてタバコに対して世の中がもっと寛容だった頃、当時の職場では仕事中に何度もタバコ部屋に行く男性社員がたくさんいました。戻ってくるとタバコの臭いがプンプンしてイヤだったこと、仕事中に何度もタバコ部屋に行く姿を快く思っていなかったこと、を思い出しました。
この時の経験がタバコの煙だけでなく喫煙者に対する嫌悪感として残っていて、通りすがりの喫煙スペースで喫煙する男性に対して反応を起こしていたようです。
私たちは嫌な出来事に遭遇するとネガティブな感情が沸き上がってきます。この感情は体験と共に即座に起こるのでその間に「価値観」があることになかなか気づくことが出来ません。
けれども逆に言えば、この「価値観」が原因で、ちょっとしたことにイライラしたり、不安になったり、落ち込みやすくなったり、ネガティブな反応として現れます。
こうしたネガティブな反応を変えたいのであれば、それを起こす「価値観」を変える必要があります。
ポジティブ心理学では、このネガティブな反応を起こす典型的な思考パターンを7つの種類に分け、それぞれに「犬」の名前がついています。
なぜ「犬」なのかというと、私たちのこの「価値観」、敢えて言うなら「思い込み」は、生まれ持った性格ではなくて「心の中にいつの間にか棲みついた犬(架空のキャラクター)に過ぎない、という考えからです。
【7種のネガティブな思い込み犬】
この犬たちは心の中に棲み続け、時にあなたの行動をコントロールしています。
新しいチャレンジをしたいけれども、心の中の心配犬が「もし、失敗したらどうするの?」と吠えたてたり、行動する前から「諦め犬」が「どうせうまくいかないよ」と尻尾を巻いていたりします。
誰でもなんらかの「思い込み犬」を飼っています。
喫煙スペースでの嫌な気分は「正義犬」です。喫煙や仕事に対する批判的な「~べき論」が根本にありました。あの時のことか、と思い出したら、喫煙者や喫煙スペースに対するイラっとした感情をそれほど感じなくなりました。もちろん、今でもタバコの煙は好きではありませんが、瞬間的に反応するイヤな気分はなくなりました。
さて、今回はストレスを引き起こす原因となる「価値観」を考えてみました。7種の「思い込み犬」はいましたか?
次回は、犬たちの手なづけ方について、考えてみましょう。
参考文献:「コミュニケーション実践トレーニング」杉原桂・野呂幾久子・橋本ゆかり著
「レジリエンスの鍛え方」久世浩司著
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竹下産業の広報部からのレポートです!
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