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コラム

コラム 賢人の思考 ~暇と退屈について考える~

賢人の思考

今回は石川雄一先生に「暇と退屈」についてコラムを書いていただきました。

おかげさまで弊社ではお客様のご相談が増え、忙しい毎日をすごさせてもらっております。ありがとうございます。

一方で、コロナ禍で他人とのリアルな接触が激減し、時間を持て余す人も多くなったのではないでしょうか。

暇や退屈が人にもたらすものは何か?

コラムで石川先生が鋭い視点で論じてくれています。ぜひご一読ください。

 

 

【著者】

石川 雄一 氏

石川雄一氏

【プロフィール】

慶應義塾大学経済学部卒業後、東京海上火災保険株式会社(現:東京海上日動火災保険㈱)に入社。主に国内営業畑を歩み、近畿業務推進部長、札幌中央支店長などを歴任

55歳で自動車メーカー保険代理店の常務取締役となり、経営と人材開発に尽力

退任後、大型自動車メーカー関連会社参与を経て退職

 

2017年に立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科入学し、2019年3月に修士課程修了。MBA(経営学修士・社会デザイン学)

現在立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士課程に在籍し、企業組織に関する研究の傍ら、セミナー講師など精力的に活動している

 

 

 

暇と退屈について考える

 

 

 この忙しい時に何というタイトルだ、と思われた人もいたかもしれないが、ではあなたはこのコラムをいつ、どのような期待を持って読むのだろうか。ネット上には、いくらでも興味深い情報が溢れているし、もっと有意義な時間の過ごし方があるはず、なのにここに目を落とした、暇と退屈には程遠いはずでしょう?

 

 釣りが趣味の人は、魚が欲しくて釣りに出かけるのではない。あたりまえだ。待望の休日に早朝から、期待に胸を膨らませて海に川に向かう。しかし多くの場合、期待ほどの釣果はあがらないものだ。渓流やヘラブナ釣りならなおさらである。しかし不思議なもので、難しければ難しいほど釣りに対する高揚感は高まる。次の休日への期待が大きくなる。そういう人は当然、簡単に釣れる釣り堀などには魅力を感じない。

 私はゲームをやらないが、多分困難さのレベルが高ければ高いほどチャレンジ意欲が増し、達成する人が少なければ少ないほど喜びは大きくなるのだろう。次々に新たなチャレンジが供給される。もはやその沼から抜けることは出来ない。

 

 昔の王様や貴族は、ウサギ狩りや鹿狩りに出かけたらしい。これも獲物が欲しいのでなく、気晴らしのためである。気高い人たちは、普段は暇で退屈なので気晴らしが必要なのだ。退屈が高じると(性格にもよるが)隣の領土を奪いたくなり、戦争を起こす。最大の気晴らしは戦争であり、そこで英雄になって名をとどろかせ、市民に尊敬させたいという欲求もある。一方気晴らしの戦に動員された市民は、大変な迷惑をこうむることになる。しかし中には、手柄を立てて勲章をもらいたいと考える連中もいて、普段の牧場や農作業よりも戦争の刺激が好きなどという人もいるだろう。ルーティンワークはつまらないのだ。

 こうして考えると、退屈さの気晴らしに重要な要素は、熱中できることのようである。熱中することで自分をだますことができる。そして熱中できるためには、負の要素が不可欠なのだ。つまり退屈する人間が求めているのは、刺激、興奮であり、それには苦しみや負荷が必要なのだ。例えば賭け事に大金をつぎ込む人は、苦痛を求めているのだ。負けるという負荷や苦しみがあるからこそ喜びが大きい。いつも勝っていてはつまらない、それでは仕事になってしまう。

 「24時間働けますか!」というコマーシャルが有名だったころ、食事や寝る間も惜しんで仕事をする人もいた。周りの社員は大迷惑だが、当人は最高に興奮し喜びを感じている。最近は働き方改革で残業は減り、余暇ができる時代になってその人はどうするのだろうか。暇との戦いに参戦しなければならない。サラリーマン時代を振り返ってみると、会社というところは、なかなか退屈させてもらえなかった。若い時は当たり前だが、課長や部長などになっても必ず上司がいて、暇にならないように様々な課題を与えてくれる。なぜなら上司は相対的に暇な時間が多いからである。また時間外でも「ちょっと行こうか」などと言ってくる。多分最近はリモートでも飲み会をやっているに違いない。

人は「何となく退屈だ」という声に耳を傾けたくないから仕事の奴隷になった。忙しくすることでそこから逃げ去ろうとした。暇な部署はみなで仕事をつくる。予算を使い切るために道路工事をふやす。働き方改革で、副業を義務化している会社があるらしい。デジタル化の進展は、仕事のやり方を大きく変化させている。省力化大流行で、コマーシャルで楽々○○とか言っているが、中年期を越えている経営者や役人や政治家は、その変化を見極めることができるだろうか。スピードについていけるだろうか。人任せで良いのだろうか。身体は暇で、頭脳が多忙という状態は、多くの人間にとって経験のない状態だと思う。人類はとても厳しい環境に踏み込んでしまったような気がする。 

ハイデッガーという偉い人は(読んだことはないのだが)「退屈するということは、自由であることだ」と言ったらしい。自由ほど怖いものはない。

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