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コラム 賢人の思考 あの人にYESといわせるには?1 ~心が動くのは目的?それともトラブル?~
2025.06.16
2025.06.16
熊倉百音子さんに、相手のやる気に火をつける言葉がけについてコラムを書いていただきました。
私の場合はスタッフに対して「始動」を促したい場合は緊張系の言葉がけを、「持続」を促したい場合は希望系の言葉がけをするように心がけています。
アプローチの使い分けの大切さが、熊倉さんのコラムからもご理解いただけると思います。
ご一読いただき、他人へのモティベートの参考にしてください。
【プロフィール】
東京生まれ 株式会社クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役
公認心理師/ドイツポジティブ心理学トレーナー
九州歯科大学 非常勤講師
『心理学を日常に活かす。質の高いコミュニケーションの方法と効果を実践的に伝えています』
コラム:「今日もココロをストレッチ」連載 2022.8~2023.7(秋田魁新報 他2紙)
著書:「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむ デンタルコミュニケーションメソッド」(共著 医歯薬出版社)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了
そろそろ暑さを感じる季節、街を歩けばあちこちでエステサロンのダイエット広告を目にするようになってきました。
「2か月で10キロマイナス!」
「スリムになったらなにしよう」
「最後のダイエット」
世の中にはたくさんのダイエットコピーが溢れ、いかにも簡単に痩せられそうなイメージで私たちにアピールしています。けれども、実際に体重を落とすとなると、それなりに地道な努力が必要です。食事制限や運動、規則正しい生活など、要するに現状のライフスタイルを変えなければならない。これはなかなかハードルの高いことです。
さてそんなとき、あなただったらどんな言葉を投げかけられたらダイエットのハードルを乗り越えられるでしょうか?
Aパターン
「スリムになればもっとアクティブにいろんなことが出来ますよ」
「痩せたら今よりももっと若く見られるようになるよ」
「痩せたらモテるよ」
Bパターン
「これ以上太ったら病気になってしまいますよ」
「太ってると何を着ても似合わないよ」
「太ったままだと老けてみえるよ」
どちらもあなたの未来の姿を示しています。けれども内容は全く違います。
「あんなふうになれたらいいな」という「なりたい姿」を現すA、一方で「こんなふうにはなりたくない姿」、つまり「なりたくない姿」を提示しているのがBです。
人がなにか行動を起こすためのきっかけは、その人の基本的な思考パターンが関係しています。「なりたい姿」に引き付けられるのか、あるいは「なりたくない姿」を避けようとするか。その違いは「目的達成型」と「問題回避型」といわれる思考パターンの違いです。
「目的達成型」は「こうなりたい」と望む目標に向かっていくことでモチベーションがあがります。一方の「問題回避型」は「こうなりたくない」とトラブルを避けようとすることで行動を起こします。
それぞれに思考や行動の特性があります。「目標達成型」は明確な目標を持ち達成しようと努力します。過去を振り返ることは好まず、常に自分のゴールに向かって動くのがこのタイプ。ダイエットが成功したときのスリムな体や周りの賞賛を想像して「よし、やるぞ」と思える人です。
一方、「問題が起きないように」「イヤな思いをしないように」と考えながら常に慎重に行動しようとするのが「問題回避型」です。
何がリスクなのか、避けられるべきなのかを判断するのが得意で解決すべき問題や避けるべきリスクがあるというような状況があることが行動の動機になります。ダイエットでは、最悪の場合の自分、つまりさらに太った自分の姿やその結果起こる病気や障害をイメージして、「ああなるのはごめんだ」と考えてダイエットを始める人です。
もちろんこれはどちらの特性がいい、悪いという話ではありません。
一般的には「前向き思考」「プラス思考」が好まれる世の中です。回避の可能性をあげると「ネガティブな意見ばかり言う」と評されたりします。けれども今のような変化の激しい時代には回避すべき点を押さえていることは大事なことです。要するにどちらのパターンにもマイナス面はあります。「目的達成型」は目指すべき方向性にばかり意識が向きがちで事前に予測できるリスク回避の考え方を見落としがち、逆に「問題回避型」は目の前の問題に執着しがちで先の目標やビジョンをとらえることが苦手です。
さて、「目標達成型」「問題回避型」の違いは仕事への向き合い方にも表れます。ほかの人の思考パターンを知りたいと思う時、こんな質問をしてみてください。
1:「企画書を書くときにあなたが大事にしていることはどんなこと?」
すると
「シンプルでわかりやすいことだと思います。」
という答えが返ってきました。そこでもうひとつ質問してみましょう。
2:「わかりやすさってどうして大切なの?」
この質問は、なんのための「わかりやすさ」なのかを聞いています。
A「資料はパッとみてわかりやすいのが一番です。その方が相手にOKもらいやすいんですよ。」
B「わかりづらい企画書だと最後まで見てもらえない、なんてことがありますからね。」
「わかりやすさ」を大事にしている点はAもBも同じ。ただし、なんのための「わかりやすさ」かが異なります。Aは「OKをもらうため」、Bは「最後まで見てもらえないことを避けるため」。
この質問はその人にとっての大切な価値観を聞いています。価値観とはその人の行動原理にもなるような考え方のこと、あらゆる思考、行動に影響するものです。2回の質問を重ねることでその人の価値観がようやく理解できるのです。
相手の思考に合わせた言葉がけで励ますと、より伝わりやすく「やる気」にもつながります。
Aには
「この企画書、なんとしてもモノにしてくださいね」
Bには
「この取引の機会を逃さないように頼みますよ」
「目的達成型」には「達成する」「獲得する」「~できる」などゴールを意識した言葉や何かを手に入れるイメージの言葉が響きます。
「問題回避型」は「解決する」「避ける」「{~しなくて済む}といった何かを避ける言葉を選んで使うと効果的です。
相手のやる気に火をつけるのは、たったひとつの言葉がけ、という可能性があることを知っていてください。
以上
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