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コラム 賢人の思考 ~ あの人にYESといわせるには?3 好きなのは「変わること」か「変わらないこと」か? ~
2025.08.18
2025.08.18
今回も熊倉百音子さんに「あの人にYESと言わせるには?」というテーマでコラムを書いていただきました。
コラムを読みますと人間には2種類あるみたいですが、私はその2種類のミックスタイプだと思いました。
自分を知る、相手を知るためのコツが書かれていますのでぜひ読んでみてください。
彼を知り己を知れば百戦殆からず!
【プロフィール】
東京生まれ 株式会社クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役
公認心理師/ドイツポジティブ心理学トレーナー
九州歯科大学 非常勤講師
『心理学を日常に活かす。質の高いコミュニケーションの方法と効果を実践的に伝えています』
コラム:「今日もココロをストレッチ」連載 2022.8~2023.7(秋田魁新報 他2紙)
著書:「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむ デンタルコミュニケーションメソッド」(共著 医歯薬出版社)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了
あの人にYESといわせるには?3~好きなのは「変わること」か「変わらないこと」か?
最近は会社に社員食堂=「社食」がある会社というのはすっかり少なくなりましたが、私が昔々勤めていた銀行にはありました。ほとんど社食でランチをとる日々を送っていた私ですが、ある先輩は違いました。仕事に支障がない限りは毎日のように外にランチに出かけていって新しいランチ場所を開拓している、と豪語するその人は社内でも有名な食通でした。会社は東京駅近く、飲食店も多い地域です。今だったら自分のグルメサイトを立ち上げてレストラン批評でもしているのだろうと思うのですが、その頃は美味しいお店はほぼ口コミです。私もその先輩にはよく「安くておいしいお店」を紹介してもらいました。
一方で、「社食」で毎日決まったメニューを食べるのが喜びだという別の先輩もいました。わざわざで外に出かけていかなくても食堂のカレーが大のお気に入り、毎日でもOKなのだそう。食堂のおばちゃんとも仲良くなってからはおまけしてもらったり、裏の社内事情を教えてもらったりとなかなか面白い結びつきをつくっていました。
ネットも携帯もない平成初期の話です。令和の現在から考えるとのんびりしたいい時代だったな、と懐かしく思い出します。
さて、食事へのこだわり度合いは人によって異なりますが、「毎日違うものを食べたい人」あるいは「気に入ったものなら毎日でも同じがいい人」の違いはあるようです。
もう少し一般化して考えると「常に変化することを好むか」あるいは、「いつも同じことを好むか」の傾向は、一種の思考パターンです。
前者は「オプション型」、後者は「プロセス型」と名前がついていて、価値観がまるで違います。
まずは「オプション型」は、選択肢が多いことを好みます。決まった手順や方法に抵抗を示し、ものごとをクリエイティブに考えることが大好き。革新的で自分なりのやり方でものごとを進めたいと思っているので、新しい方法にも果敢にチャレンジしていくタイプです。ちょっとしたミスが多いのがたまにキズですが、新規事業を立ち上げるときなどはこうした思考の持ち主が必須です。このタイプは「可能性」「ほかのプラン」「新しいやり方」と言ったキーワードを会話の中でよく聞くことが多いです。
一方の「プロセス型」は過去の成功体験を大事にします。既存のルールに従い順序通り行うことが好きで、万人に認められているものに信頼を置きます。任せればきっちりとミスのない仕事をしてくれますが、一方で柔軟性にかけるところもあります。
既存の仕事をミスなく、滞りなく続けてていくには大いに力を発揮してくれます。「正しい手順」や「成功例がある」などのキーワードがよく聞かれます。
このシリーズでいつもお伝えしていることですが、「オプション型」、「プロセス型」はひとつの傾向であって絶対にこの通りである、ということではありません。とはいえ、それぞれの傾向を知ることは自分も他者も大事なことです。どんな状況が本人にとって心地よく感じられるのか、能力を発揮しやすいのはどんな環境、仕事なのか、など、その人の個性が活きる場を知るヒントになるからです。
例えば「オプション型」と「プロセス型」は真逆の個性です。お互いの異なる個性を理解したうえでコミュニケーションをとれればいいのですが、自分とは異なる個性を理解していないと職場のミスコミュニケーションの一因になることも多いのです。
「オプション型」の上司は「プロセス型」の部下の報告・説明が長い、と感じがちです。「プロセス型」は手順を大事にしますから、一から順を追って経緯説明をすることで考えがまとまっていくようです。この「手順を追って順番に」が「要領を得ない」とか「話がまだるっこしい」と感じるならば、あなたは「オプション型」なのでしょう。
逆に「プロセス型」の上司は「オプション型」の部下の簡潔な報告を物足りなく、不完全に捉えることも多いようです。
「〇〇さんとのアポ、取れましたよ。●月▼日の10時からです。」と最重要点のみを伝えてくる「オプション型」に対して、ものごとの立ち上がりから終わりまでの詳細な説明を把握しておきたいのが「プロセス型」、話を「省略された」と感じることが多いのです。
・・・というように、違うタイプと仕事をするときは注意が必要です。
他者は自分とは異なる生き物である、と言われれば「そりゃそうだよ」「わかってるよ」と思うのですが、現実的に人と付き合うときには無意識に自分の思考パターンをもとにして考えることが多い。まずは自分の傾向を知り、次に相手の傾向をよく知ることが、コミュニケーションをうまく行かせる第一歩です。
今回の話題は「プロセス型」と「オプション型」の話でしたが、その違いを理解できるようになるためには、相手をよく観察してみる、ということを付け加えておきます。
忙しく働いていても、相手のちょっとしたひとことや相手の態度に注意してよく聴いたり観たりしていると特徴がわかってきて「こんな人なのかなぁ」と類推できるようになってきます。
冒頭のランチの傾向もそのひとつ。小さな行動や言葉ひとつひとつにその人の人となりが隠れています。
最後にまったくの私見なのですが、これまでの経験で「オプション型」だなと思う人はよく、「せっかくだから・・・」という言葉を使うような気がします。仕事も遊びも同様に、常に「プラスアルファ」あるいは「あと一歩」を求める姿勢が通底していました。「むちゃぶり」をするのもこのタイプで、大変なこともありますがそれはそれで楽しい経験になることが多いです。
一方で「プロセス型」の人がよく使う言葉はわからないのですが、態度や考え方は慎重で先々のことに手を打っておく方が多いような気がします。安心して仕事を任せられるのはこちらのタイプのような気がします。
以上
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