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コラム 賢人の思考 ~ 現代版「百姓」のリアル その4 ~
2026.01.05

2026.01.05

当社は私で3代目、92年の歴史があります。
今回もコラムを書いていただいた金子栄二郎さんは、江戸時代から16代目の農業経営者です。
企業との協業、新しく就農される人たちへのコンサルティングなど、温故知新の精神で新しいことに挑戦し続けておられます。金子さんの取り組みや考えをぜひ読んでみてください。

Universal Agriculture Support 合同会社 代表社員
キャリアコンサルタント
都会である横浜市青葉区に農地2ヘクタールある16代つづく金子農園の後継者。
2004年から家業に入って10年間イチゴ栽培を行い、神奈川県いちご連合会品評会にて2010年いちご連会長賞、2012年神奈川県議会議長賞受賞。
現在は農業や農福連携などのコンサルタントとして活躍する傍ら、自社農園でミニトマト「みのりっち」など、様々な野菜や果実の半自動管理や知的障碍者の人たちと一緒に収穫作業を行う農福連携を実践中。
企業との協同研究
友人で市町村の基本計画作成の手伝いをするコンサルがいます。
基本計画とは、市町村の最上位計画である「総合計画」の中核をなす中期的な指針のことです。おおむね10年程度を対象期間とし、基本構想で示された将来像を実現するために、分野別の施策目標や方針を体系的に整理します。都市整備、福祉、産業、教育、環境など幅広い分野にわたり、具体的な政策の方向性を明示することで、行政運営の一貫性や透明性を確保し、住民参加や地域の合意形成を促す役割を担います。
この友人から、「農業ってどういう仕事?」と質問され、「農業は、決まった面積の圃場に作物を選んで栽培する仕事。選ぶ作物によって収穫量や販売単価が変わる。計画時点での作付け計画の数字が最大値であとは、栽培期間中に病害虫の発生や自然災害の発生とかで、収穫量が減少する可能性がある仕事だよ。」と説明しました。
「不安定で事業価値が場合によっては下がるのって、つまらない仕事だね」と返答され面くらいましたが、「どうやったら面白い仕事になるのかな?」と聞きました。回答は「場所の価値を上げていけばもっと色々な稼ぎ方ができるようになるし、販売単価も市場に合わせるのではなく独自性をもった販売ができるのでは?」と言われ、目から鱗でした。
「農地は農作物を作る場所」「販売価格は市場で決められるもの」という固定概念に縛られていた自分に気づきました。長期の計画を作成する友人には、ワクワクするビジョンや事業の持続可能性という観点がいつもあるんだなとも気づきました。友人とのこのやり取りによって私のマインドが広がりました。その後、色々なご縁をいただき、詳しくは守秘義務があるので書けませんが、企業の試験栽培を受託することに繋がりました。この件から自分が学んだことは、20年やってきた農業という仕事をわかったつもりでいました。しかし、自身の農業という仕事に対する「仕事理解」をもっと深めるということに思いがいかず、日々の仕事の繰り返しで「農地という場所の価値を上げる」という視点に行き着くことができていなかったということです。
「窮すれば変じ、変じれば通ず」という格言はご存じでしょうか。これは、中国の易経に由来する格言で、物事が行き詰まったときには新しい方法や発想へと変化することで道が開ける、という意味です。困難や限界に直面した際、そのままでは解決できないが、視点を変え、工夫し、行動を改めれば打開の糸口が見えてくることを示しています。逆境や停滞は終わりではなく、変革の契機となるという思想を表し、柔軟な対応と創造的な変化の重要性を説いた言葉です。
皆さんの仕事は、どういう仕事でどのような形で社会に関わっていますか?他業種との交流を通じてご自身の仕事に対する「仕事理解」を深めることがまだできるかもしれません。現状に行き詰まった時、上記の格言と併せて思い出してもらえれば幸いです。
栽培指導・農業参入コンサル
2011,3,11に発生した東日本大震災は、これまでの社会に大きな変化をもたらしたと感じています。私も少なからず影響を受けました。当時、イチゴ農家として20aの圃場管理と直売所の運営で365日、頭の中は一杯でした。しかし、あの時からこれまで経験したことが無い色々なことが起こりました。3月という時期は、イチゴ農家にとっては寒かった季節が終わり、暖房を使用しないで良くなるのでコストも下がり利益率が上がるタイミングです。
「ここから来年に向けての貯蓄を作るぞ!」というタイミングでの発災でした。辺鄙な場所で直売をやっていたので、車でないと来店ができませんでした。当時はガソリンの販売制限がかかり、先行きも不安定で有ったことからお客さんはプリウスに乗っている人しか来ませんでした。
また、従業員に関しても、子育て中のパートさんが大半で有ったため、「子どもが怖がってしまっていて、仕事に行けません」と言われ、どうにもなりませんでした。畑にはびっしり真っ赤なイチゴがぶら下がっているのに、お客さんも従業員も来ないという状況でした。
この年、200万円の赤字でした。私の精神も少なからずダメージを受けていたので、翌年に使用するためのイチゴ苗の栽培をはじめるタイミングでもありましたが、仕事に力が入らず苗も上手に育ちませんでした。この時、色々と考えてイチゴ栽培を無期限休止にすると決めました。この決断に至った背景としては、自分には稼ぐ力が「イチゴを栽培して販売すること」にしかなかったから赤字を出したと結論付け、今後同じ轍を踏まないようにするためには、自分自身の稼ぐ力を上げることしかないと考えたためです。
この時、イチゴ栽培は8年やっており、直売所のお客さんも少なからずついていたので大変申し訳なかったです。お客さんを裏切ってしまった分、「農業のプロ」になることでお客さんに返していこうと考えました。仕事も2009年に牛丼の吉野家さんと立ち上げた吉野家ファーム神奈川への時間比率を増やし、総務や経理等法人経営に必要なスキルを学ばせてもらうことに時間の大半を割きました。この時、仕入れの業務もやらせていただいたので、地方の篤農家の方や飲食業界の経営層の人など農業を自分の地域でやっているだけではまず会うことができない人たちと出会うことができたのは今でも私の財産です
震災後、自分のスキルアップのために4~5年かけてJGAP指導員・HACCPコーディネーター・有機JAS審査員補・指導農業機械士・応急手当普及員・キャリアコンサルタント・施肥技術マイスター・第一種衛生管理者・経営士などの資格を取得しました。この時の経験をベースに栽培指導や農業参入コンサルという仕事をすることができています。
栽培指導をしていく中で一番役に立っているのはキャリアコンサルタント取得時に勉強した「傾聴スキル」です。栽培指導も複数年やっていれば、習う側も技術を習得していきますので、こちらから教えることは減ります。私は、対話を通じて相手の「困りごと」を見つけ、その解決を一緒に行うことでさらに習う側の人のスキルアップに繋がる働きかけを行っています。
仕事を表現すると「栽培指導」ですが実際のところは「何でも屋」です。基本的に「できません」は言いません。難しいと感じることも「どうやったらできるのか?」を考え、自分一人で無理な時は仲間にお金を支払って助けてもらいます。私は、こういったスタンスで仕事を創っています。
仕事の対価は、多くの場合お金です。私は、お金を気持ちよく相手に支払って貰えるように依頼された仕事をいつも120%で臨む心がけでこなしています。
皆さんは、仕事の対価で何を得ていますか?
目先の損得だけではなく、皆さんの今後のキャリアアップに繋がる人とお仕事できると良いですね。すべては、自分で決めていることですので。

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