2018.07.23
2015年、関東・東北豪雨で茨城県常総市を流れる鬼怒川の堤防が決壊し、多くの家屋が浸水したことは記憶に新しいかと思いますが、今回の西日本豪雨災害でその教訓ははたして生かされたのでしょうか。岡山県倉敷市真備町では、想定浸水区域や避難場所を掲載した洪水・土砂災害ハザードマップが全戸に配布されていたにもかかわらず、多くの市民が避難していなかったことが明らかになってきています。しかも、今回の浸水はハザードマップの想定通りだったようです。そこで・・・
― なぜヒトは避難しなかったのか? -
この問いが示すように、災害に遭遇したヒトの心理を皆で対話し思考すること、いわゆる事前のリスクコミュニケーションが重要なアプローチとなってきます。皆様も他人事ではなく、当事者になったつもりでこの問いについて考えてみてください。
そこでこの問いに対するアプローチを助けてくれるのが心理学という学問です。
「集団同調性バイアス」 皆でいるから大丈夫と思い避難が遅れる
「心理的バイアス」 思い込みや偏見によって認識が歪む
「正常性バイアス」 思い込みによって頭が非常事態であるという認識に切り替わらない
「楽観的無防備」 自分にとって望ましくないことが起こる確率は低いと考えてしまう
「ヒューリスティックス」 人は論理的に考えず、安易な意思決定をしてしまう
「係留効果」 人は最初に提示された数字を参照として判断してしまう
このように心理学は、被災者の心理を読み解く大きな手がかりを私たちに与えてくれます。
リスクコミュニケーション(対話)を行うには、まず多様性(十人十色で一人一人考えが違うこと)を認め、寛容(=忍耐)でなければならないことを皆で共有する必要があります。平等な立場で対話を行い、出た意見に対して正解も不正解もなく、共に意見を出し合いながら共創(発想を共有する)に導くことがリスクコミュニケーションの目的および効用です。これを機会に皆様の組織でも、マンネリ化している会議から脱却し、リスクコミュニケーションの場をつくってみてはいかがでしょうか。
大森英直 (株式会社ジェイアイエヌ 取締役 リスクコンサルティング担当)
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