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コラム 賢人の思考 ~ 私が考えるマネジメントに最も重要なこととは その1 ~
2023.05.08
2023.05.08
今回は起業中で、看護師・保健師でもある鈴木祐子氏に「マネジメント」について執筆していただきました。
一般企業の経営者や学者のマネジメント本は書店にたくさん並んでいますが、看護師・保健師の方が考えられるマネジメントを知りたいと思い、今回お願いさせてもらいました。
ぜひお読みください。
○筆者プロフィール
鈴木 祐子
長崎県五島列島生まれ。看護師、保健師。
福岡県の聖マリア学院大学の看護学部を卒業後、県立長崎シーボルト大学の看護栄養学部へ編入。地域保健を学び、卒業と同時に保健師の国家資格を取得。
2003年上京し、都内大学病院にて10年間勤務、その後訪問看護師を6年経験後、ホスピス施設にて主任、看護管理者として緩和ケアに携わる。
現在大田区にてホームホスピスの設立準備中。
テーマ: 私が考えるマネジメントに最も重要なこととは その1
マネジメントいう語源は「マネジメントの父」として知られるピーター・ファーディナンド・ドラッカーが、1973年に刊行した「マネジメント」という書籍にあるとされています。その本によるとマネジメントとは組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関であり、マネージャーとは組織の成果に責任を持つものと定義されています。
ほとんどの会社にマネージャーと言われる役割の方がいますが、マネージャーとリーダーとの違いはなんでしょうか。マネジメントとリーダーシップの違いはなんでしょうか。
簡単に言うとマネージャーとは組織の管理者、リーダーとはメンバーの先導者です。
一般的にマネージャーは仕事と生産高の管理に焦点を当て、組織のパフォーマンスを最大化させるために、人的・物的・金銭的リソースを管理する存在のことです。
一方リーダーとは、組織の目標を達成するために、メンバーを先導する存在のことで、全体的な目的を達成するために「人」や「人を導くこと」に焦点を当てて行動している存在のことです。
マネージャーとリーダーに明確な違いはあるものの私はこの役割のどちらにもマネジメント力が求められると考えています。もっといえば全ての人にマネジメント力が求められる時代になってきています。それは年々働き方の多様化と価値観の多様化が認められてきており、より個人の特性や特質を生かすことが重要となってきているからです。
さて、前述したようにマネジメントとは、人や組織を管理、教育し、仕事を円滑にすることで会社の生産性の維持と発展に繋げることが役割だと認識している方が多いと思います。
私はここに常々疑問を感じていました。
人が人を管理、教育することは容易ではありません。上手くいかないことが多いのではないでしょうか。管理=統制するとも言えます。それは年々時代に合わなくなってきているのではないでしょうか。
ではなぜ時代に合わなくなってきたのでしょうか。
それは多様化が認められてきているからです。
軍隊のような一律した教育は時代遅れとなっています。
小学校の学習指導要領には多様な考え方や多様な価値観の存在を認め合おうとあります。これはダイバーシティ教育とも言われています。それに加え、SDGSのターゲットの中にも多様性という言葉が随所にあります。(SDGS:「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包括性のある社会の実現)
次に、なぜ人が人を管理、教育することは容易ではないのでしょうか。
マネージャーに必要な資質として、第一に「信頼」というものが挙げられます。信頼できないマネージャーには誰もついていきたくありません。信頼できないマネージャーには何も話したくありません。信頼できないマネージャーに仕事を任されても熱意を込められません。誰からも好意を寄せられるような人間性とコミュニケーション力が求められます。
第二にマネージャーは一人一人の特性を生かし、仕事を委任しなければなりません。そして動機づけを行い、常にモチベーションを維持できるよう助けなければなりません。本人の背景にある状況(家庭環境や身体的状況)を把握し、仕事に打ち込める状態か判断し、仕事の質と量を考えて委任しなければなりません。
第三にマネージャーは一人一人の特性を踏まえた上で仕事への取り組み方や成果を把握し、評価しなければなりません。
第四にその人にあった方法で指導教育しなければなりません。人それぞれの得意不得意を把握し、時には性格上の問題も加味して指導教育します。かなりの忍耐が必要になることもあります。しかし、人の本質を変えることはほぼ不可能に近いのも現実です。
上記の四つのことは私が考えるマネージャーに必要な資質とマネージャーに課せられる責任ですが、実は私、これら全てにおいてパーフェクトだったと思ったマネージャーにはまだお会いしたことがありません。みなさんはありますか?
そして私も管理者であった経験がありますが、私が人を管理、教育し、評価するなんて、なんておこがましい経験だったと謙遜ではなく、本気で思っています。
マネージャーといっても人は人です。失敗を犯すこともあるし、疲れることもあります。そして信頼を失うこともあります。しかし、マネージャーという地位のために部下に許されないこともしばしばです。
そして私が出した「マネジメントに最も必要なこと」の答えは、厚生労働省が出した「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の中にありました。
その中にはメンタルヘルスケアに重要な4つのケアとして、「セルフケア」「ラインによるケア」「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」「事業場外資源によるケア」が挙げられています。この中で最も重要なものはなんだと思いますか?
それは「セルフケア」です。労働者の心の健康の基盤をなすものです。
そして、それに通じてマネジメントに最も重要なことも「セルフマネジメント力」だと考えました。
次回は「私が考えるマネジメントに最も必要なこと」=「セルフマネジメント力」について掘り下げていきます。
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