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コラム 賢人の思考 ~ 「みてみて行動」~肯定的意図のはなし ~
2023.01.10
2023.01.10
国家資格である公認心理師、地方紙の連載コラム執筆家として活動の幅を拡げられている熊倉 百音子先生に、今回は「肯定的意図」についてコラムを書いていただきました。当社のコラム執筆が契機となり、現在では地方紙のコラムを連載されるようになったとのことで、私としてもとても嬉しく感じます。当コラムはスタート時から、業務とは全く関係のない多様な人材に自由なテーマで書いていただくことを目的としています。その方が面白く、学びとなると考えたからです。これからも皆様にも当コラムを楽しんで読んでいただきたいと思います。
【著者】
熊倉 百音子 氏
【プロフィール】
東京生まれ ㈱クオリティ・アンド・バリュー代表取締役
医療系専門学校にてコミュニケーション授業を担当する講師
新聞コラム連載中「今日もココロをストレッチ」
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修士課程修了
立教大学社会デザイン研究所 研究員 (TEAM DIAGRAM所属)
「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむデンタルコミュニケーションメソッド」(医歯薬出版社・共著)
テーマ:「みてみて行動」~肯定的意図のはなし
小さな子どもって、たまにわざと怒られるようなことを親の目の前でやらかしたりするでしょう。上手にひとりでごはん食べてるな、と思っていたら突然手に持っていたフォークをポイっと投げ捨ててしまうような、「みてみて行動」に出ることがあります。こういう行動の裏側には「もっと親にかまってほしい」というアピール、つまり「わたしを、ぼくをもっと大事にして」って欲求が隠れているわけです。
大人になると「みてみて行動」はもう少し複雑です。いつも上から物申す「えらそうにしている人」、聞いてもいないのに「解説しまくる人」、いつも気分がローギアな「不調をアピールする人」というように、ちょっとメンドクサイ人になります。まあ、たまには自分もそんな態度をとってしまうこともあるので、自戒を含めて言うのですが、やっぱりこれも「みてみて行動」、つまりはアピールしたい、大事にされたい、ってことです。
この「みてみて行動」の裏側には「肯定的意図(positive intension)」というものがあります。ちょっと難しい言葉ですが、「人はどんなに否定的な行動にも肯定的な意図がある」と考えられています。傍目には「やめればいいのに」と思えるような否定的な行動、本当はやめたいと思っているけどやめられない行動にも本人にとっては肯定的な目的があって行っていることなのです。例えば、喫煙や過食、飲酒、ギャンブルなどをやめられない人、実は心の中では本当に望んでいるポジティブな欲求があります。その欲求が満たされると根本原因から解決出来ることが多いです。
本当の欲求、それは人類共通のもので、愛情・自由・安心・健康・成長・自己承認・満足感・自己防衛などがそれに当たります。
そう考えると、最近、イライラして不機嫌な大人が多くなった気がしませんか。そういえばお年寄りはよく駅やお店で怒っています。学校に行きたくない子どもも増えています。それぞれが満たされたい何かを抱えて、本当は望まない行動をしてしまっているのかもしれません。
妙にイラつかせる、あの人の言動にも必ず肯定的な理由があります。すぐにえらそうにする会社のあの人も、知識をひけらかすその人も、すぐに機嫌を悪くするこの人も。だから、無下に嫌わないで「この言動の肯定的意図はなに?」と考えてみると理解できることが多いのですよ。こちらがもうちょっと余裕をもって少し大事にしてあげましょうか。
きちんと時間をとって話を聞いてみる、ほんの少しだけ穏やかになって観てみると、案外いい人、面白い人かもしれません。この人の言動にはどんな肯定的な意図があるのだろう、という視点で観るとこちらも腹を立てることもなくなります。
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