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コラム 賢人の思考 ~ 近年話題のライフ・ワークバランス 介護離職を考える その7 ~
2025.01.27
2025.01.27
新野 緒さんに災害視点からのレジリエンス(困難や脅威に直面したときに、しなやかに適応して回復する力や能力)についてコラムを書いてもらいました。
現代においては豊かさゆえに人間本来の強さが失われているのかもしれません。
コラムを読んで、人間の強さとは何か考えるキッカケにしていただければと思います。
新野 緒 NIINO HAIJME 東都三軒茶屋リハビリテーション病院 医療相談員(社会福祉士)
JALグループ(株)JSS総合危機管理サービスコンサルティング事業本部での勤務を経て、1998年に東京掖済会病院医療ソーシャルワーカーとして福祉業界に飛び込む。東都三軒茶屋リハビリテーション病院 医療相談員。岡崎人事コンサルタント講師、株式会社Leaf音楽療法センター非常勤講師。
明治薬科大学、日本大学経済学部、中央大学、立正大学、職業能力訓練大学校などでの講師実績多数。介護・医療経営専門誌である日総研出版「介護人財」「地域包括ケアを担うケアマネ&相談員」「地域包括ケア時代の通所&施設マネジメント」に連載・寄稿多数。
Web版「介護人財」にて「医療福祉の次世代成長を狙う技術革新20年戦略」を好評20回連載中。
明治薬科大学、日本大学経済学部、中央大学、立正大学、職業能力訓練大学校などでの講師実績多数。介護・医療経営専門誌である日総研出版「介護人財」「地域包括ケアを担うケアマネ&相談員」「地域包括ケア時代の通所&施設マネジメント」に連載・寄稿多数。
Web版「介護人財」にて「医療福祉の次世代成長を狙う技術革新20年戦略」を好評20回連載中。
近年話題のライフ・ワークバランス~介護離職を考える~その7
今回以降は、たくさんのリスクへの対応をしつつ介護離職を発生させない暮らしを実現するにはどういう生活設計や解決策が必要なのかを取り上げて行きます。
皆さんはSDGs(持続可能な開発目標)という言葉を知っているでしょうか。最近流行りなので、なんとなく聞いたことがある人もいるかもしれません。気候変動による災害や戦争など、何が起ころうとも、「誰一人取り残さず生き残って生活し続けることができるような世界を実現するための取り組み」です。誰一人取り残さないということには、もちろん自分が含まれます。
この実現のためには、二酸化炭素排出だけでなく自分自身と周りの人々への負担を少しでも減らして行くことが必要です。
このコラムのテーマは「介護離職を考える」ですから、この観点で考えてみます。
まず自分自身での取り組む社会への負担軽減策として必要なことは「介護が人生終盤まで必要ない生活と災害に強い生活の両立を実現する」ということになってくるかと思います。
難しいのは災害や戦争、感染症などたくさんのリスクに対応しつつそれをどう実現するかということですが、これを実現しているところはすでに日本中にあるのです。
それは地方集落での田舎暮らしです。先日(2024年10月12日)NHKのプロジェクト新プロジェクトX〜挑戦者たち〜「孤立集落へ 命の道をつなげ 〜東日本大震災 6日間の闘い」で放送されました。ライフラインが途絶。水も電気もガスも途絶した人口200人程度の集落が、400人の避難民を抱えて1週間耐えたのです。避難民を抱えなければ3週間以上はもったでしょう。同じ強さは能登半島地震でも証明され、過疎で高齢化率が約44%に達している状況でも発揮されています。どうやって耐えたのでしょうか。
地元民として日常生活で周囲の自然環境を利用していて、近隣の山でどんな食べ物が採れて飲料に適した沢の水がどこにあるか知っています。電気がなくとも囲炉裏では、火があるので灯りが得られ暖もとれます。都市ガスの配管が断裂してもプロパンガスが主流なのですぐにはガス切れになりません。たとえボンベが空になっても薪を山から切り出せます。日常的に畑仕事や山仕事で体を鍛えていますので高齢者も体力があります。
山の幸や海の幸を日常生活で利用しています。山海の幸は「旬」と言って取れる時に大量に収穫されるものなので、それを保存しておいて後で利用する行為が生活の中で定着しています。好き嫌いさえ言わなければ、災害時に保存してあるもので食い繋ぐことが可能です。
このように大地の自然環境と一体化したミニマム・シンプルな生活が、災害時の高い耐久性を可能としているのです。
ウクライナの戦場では、国民の継戦意思をくじくため生活インフラが攻撃の対象とされ、サイバー攻撃やドローンやミサイルによる精密破壊兵器で変電設備や広域用大型発電所が標的とされています。つまり世帯単位や地域単位での自給自足体制を整備/向上させることが、そのまま戦時の耐久力を高めることになることが判っていただけるかと思います。そして、同時にそれは災害時にも威力を発揮します。
囲炉裏の生活に戻る必要はありませんが、太陽光発電住宅の普及で自家発電や水素燃料を自家生産し備蓄することを標準化し、大地の自然を維持しながら利用し、山海の幸を保存備蓄します。家庭菜園も総動員して食料の自給率を少しでも引き上げる必要があるのです。
ただし、地域の自然環境を利用して維持できる人口には限界があります。自然への負担を減らし、適正な規模で行わなければ実現できないからです。ここまで書くとお気づきかもしれませんが、これが災害や戦争へのリスクに対応しながら「介護離職を避けながら生きる」ために、大都市を解体し生活圏を分散再構成しなければならない理由なのです。
少しずつお話していかないと紙面が足りません。この辺で今回の話は終わりにいたしますが、次回は「介護が人生終盤まで必要ない生活」を取り上げたいと思います。
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