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コラム

コラム 賢人の思考 ~「日本大学アメリカンフットボール部の大麻・薬物事件に思う(その2)」~

賢人の思考

前回のコラムに続き八星篤先生に、日本大学アメフト部の大麻・薬物事件について書いていただきました。

私たちは批判やクレームに対してどのように対応していくのか、その基本姿勢がこのコラムから学べます。私はこのコラムを読んで、そのような時に真摯な姿勢と謝罪が前提であるという認識が必要でると知りました。

クレームは裏返せば社会(顧客)からの期待と私は考えます。

危機管理の専門家のコラムをぜひご一読ください。

 

○著者プロフィール

つくだ社会科学研究所

代表 八星 篤(はちぼし あつし)氏

 八星 篤氏

1972年 東京大学経済学部卒業

1972年 第一勧業銀行入行
1996年 広報部長
1997年 企画室長
1998年 横浜支店長
2000年 執行役員調査室長 兼 第一勧銀総合研究所専務取締役
2002年 みずほ銀行執行役員調査部長 兼 みずほ総合研究所専務取締役 
同年 みずほ銀行退職
2003年 株式会社サカタのタネ監査役(社外)就任
2008年 株式会社サカタのタネ取締役(社外)就任
2013年 株式会社サカタのタネ取締役辞任

現在、危機管理、経済・金融等の講演・研修活動に従事 。なお、八星氏は高杉良著「金融腐食列島」シリーズの登場人物のモデルの一人と言われている(八星氏が第一勧業銀行総会屋事件時の広報部長時代がモデル)。

 

○テーマ 「日本大学アメリカンフットボール部の大麻・薬物事件に思う(その2)」

 

残念ながら、日本大学アメフト部の大麻・薬物事件は、私が予想した以上に拡大しているようです。どこまで拡大するのかは今後の警察や検察の対応によるとは思いますが、現在日本大学のHPを見る限りでは、最近はやりの第三者委員会を2つも作り、そこでの検討に、まずは委ねるという方針のように読み取れます。理事会や学部会が自分たちで何をしていくのかという方向性は不明です。

「日本大学は学生の皆さんを全力でサポートしてまいります」という酒井学長の談話が出されていますが、余り具体的ではありません。冒頭に「学長として心からお詫びする」と書くのは、当然でむしろ慣用句のようなものです。その後は、大学の管理責任等への指摘を真摯に受け止め改善を図るとしていますが、今の体制で果たして、どこまで実現できるのか疑問に思わざるを得ません。

 

私は前回のコラムの最後に「本件についてアメフト部が連帯責任をとらされていることが問題だと思うという意見があり、実際に日大側は活動停止を解除しましたが、この事件が個人の不祥事であることが明確ならば、連帯責任を取らせることは私もやりすぎと思いますが、アメフト部の合宿所で起きた事件であることを考えれば、連帯責任ということではなく、関与した人、あるいは事実をして知っていた人がいるかどうかの調査が完了するまで、アメフト部の活動を停止することはむしろ危機管理として当然の措置と思います。」と書きました。案の定、2度目の家宅捜索が合宿所に入り、複数の部員が事情聴取を受ける事態となりました。その結果、大学は合宿所を閉鎖し、再びアメフト部の活動を無期限活動停止とせざるを得なくなりました。日大には危機管理部という学部があるそうですが、今回の対応について、危機管理部としての見解を聞いてみたいと思っています。

文部科学省もさすがに事態の広がりを見て、本件の真相究明、学校法人の管理運営体制における問題の検証等を9月15日までに提出するように求めたそうですので、この事件は、今後、種々の角度から検討がなされると思います。

私は、とりあえず本件についてのコラムの締めくくりとして、2018年に行われたアメフト部員の暴行事件で、事件を起こした加害者の記者会見及び大学当局の記者会見を振り返り、不祥事における謝罪としての記者会見についての私見を申し上げてみたいと思います。なお、本件については、今後の状況の変化等をみながら、改めて大学の対応等について検討することもあろうかと思います。

 

2018年5月6日、アメリカンフットボールの定期戦で日大の宮川選手が悪質なタックルで関西学院大の選手を負傷させるという事件が起こりました。この事件に関して、加害者の宮川選手の謝罪記者会見が5月22日に行われました。この記者会見の模様は私もテレビで見ましたが、謝罪記者会見として、非常にレベルの高いものであったと思います。

レベルが高かったと思う理由は次の3点です。

 

  • 宮川選手が自分の行為を深く反省しており、負傷させた選手はもちろん、迷惑をかけた方々すべてに謝罪したいという意思がはっきりしていたこと
  • 相談を受けた弁護士も宮川選手やご両親の意図を正確に把握し、関係者への謝罪を中心とする活動を行ったものの、関係者の了解が得られず、やむなくこの謝罪記者会見を行うことにしたという説明が妥当であったこと
  • (ここは私の私見ですが、おそらく)記者会見の前に、宮川選手と弁護士の入念な打ち合わせがなされ(弁護士の指導と思いますが)、謝罪の内容はもちろん、実名の公表や写真撮影、一問一答での答える内容と態度等細かく検討が行われていることです。記者会見の弁護士の説明、宮川選手の応答それぞれ、事実経過を詳細に述べていますが、その表現内容は微妙に異なっています。弁護士は「監督、コーチの指示によるもの」と指摘しています。一方、宮川選手は監督やコーチの直接的な指示について言及はしていますが「最終的には、相手選手に違法なタックルをした自分の責任である」と述べています。例えば監督、コーチの指示をどう思うかについての応答は「いくら監督、コーチからの指示があったとはいえ、僕がやってしまったことについては変わらないと思って、とても反省しています。なので監督、コーチに対して、僕がどうこう言うことではないのかなと思っています」

 

この記者会見は被害の関係者や世間に好感を持って受け取られました。事件の直接の加害者ですから当然傷害容疑で告訴されましたが、被害者との示談が成立していること等から不起訴となり、その後日大及び社会人チームのアメフトの選手として活躍していました。この記者会見が、彼の人生を良い方向へ変えたことを考えると「記者会見での対応が大きな意味を持つことがあること」を示すケースだったと思います。

 

一方、この記者会見の後、急遽開催された大学側の記者会見では、監督、コーチの対応も批判されましたが、それ以上に記者会見の進行役の日大広報部の米倉氏への批判が高まりました。監督、コーチからは、宮川選手に直接、具体的に暴行を加える指示をしたことは無いとの釈明がなされました。コーチは「けがをさせることを目的としては正直言ってない。ただ、『QBを潰してこい』と言ったのは確か。けがをさせる目的ではない。思いっ切りそれくらいの気持ちで行ってこいと、その意味で言った」という発言がなされました。

これに対して記者が質問を続けていると、突然広報担当の米倉氏が「1時間半以上やっています。これで終わりにしたいと思います」と制し、会見を切り上げようとしました。記者からは「会見を続けるかどうか、司会の方ではなくて、監督に決めて頂きたい」と要望がありましたが、その後は米倉氏の記者に対する反論が中心となりました。米倉氏は大手通信社の出身で、マスコミについて熟知している思ったのでしょうが、危機対応の場合、自分はこのことに詳しいと思うこと自体に大きな落とし穴があるという例でした。

 

聞く方と答える方、まして謝罪の記者会見では立場が全く違います。私自身も危機対応は詳しい分野と思ってはいますが、時代の変化等もあり、常に自らを戒める必要があると思っています。なお、この事件については最終的には、監督もコーチも、直接的な指示があったとは認定されず、不起訴処分となっています。その意味でも宮川選手の応答は適切であったと思います。

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