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コラム

コラム 賢人の思考 ~「ワーク・ライフ・バランスの目的はクオリティ・オブ・ライフを高めること」~

賢人の思考

石川雄一氏に「クオリティ・オブ・ライフ(QOL;生活・生命の質)」について執筆していただきました。

 

QOLを高めるために「余暇」が重要な要素となってきますが、みなさまは余暇をどのように過ごされていらっしゃいますでしょうか。

 

コラムを通じて改めて余暇について考えてみたいと思います。ぜひご一読ください。

 

 

【著者】

石川 雄一 氏

 石川氏③

【プロフィール】

慶應義塾大学経済学部卒業後、東京海上火災保険株式会社(現:東京海上日動火災保険㈱)に入社。主に国内営業畑を歩み、近畿業務推進部長、札幌中央支店長などを歴任

55歳で自動車メーカー保険代理店の常務取締役となり、経営と人材開発に尽力

退任後、大型自動車メーカー関連会社参与を経て退職

 

2017年に立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科入学し、2019年3月に修士課程修了。MBA(経営学修士・社会デザイン学)

現在立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科博士課程に在籍し、企業組織に関する研究の傍ら、セミナー講師など精力的に活動している

 

テーマ 「ワーク・ライフ・バランスの目的はクオリティ・オブ・ライフを高めること」

 

 このコラムで今まで2回にわたって、チャールズ・ハンディの「4つのワーク」と「ワーク・ライフ・バランス」について考えてきた。ワーク・ライフ・バランス(以下WLB)の本来の目的は、ライフの質(QOL)を高めることだ。とすると、生活と仕事の調和、4つのワークのバランスだけでなく、あまり触れられないが、実はとても大切な要素である「余暇」について考える必要があると思う。

 今まさに働き盛りの方々にとって、余暇とはどういう時間だろうか。気分転換か息抜きか、休養して生き返る時間だろうか。家でゲームや映画鑑賞したり、旅行やスポーツにアグレッシブに楽しむ人もいるだろう。生活の質を高めるに欠かせないことだ。

 またもチャールズ・ハンディで恐縮だが、彼は1989年の著書で、将来組織は大きく変革を遂げて、私たちの組織労働時間はこれまでの10万時間から半減し、5万時間の余暇が生まれると予言している。言い換えると、仕事のポートフォリオが大きく変化して、従来型の仕事時間が半分になると言っているのだ。

確かに近年はデジタル化の進展により、仕事の内容が大きく変化し削減されている。デジタル化は加速度的に進むから、無くなってしまう仕事も明示されているし、どの仕事も内容は変質している。サラリーマンもその変化に対応していかなければならない。世間を騒がせている生成AIは、革命的に社会のしくみを変えるだろう。いまは仕事の場よりむしろ、教育の場に差し迫った大変な問題を投げかけているが。

 いずれにせよ、従来型のペイドワークは変質するし、従事時間は減少する。それならば、ホームワーク、ギフトワークやスタディワークを充実させるか、あるいは副業(複業)に従事するかもしれない。

そこで今回は、時間が生まれWLBを見直すとき、4つのワークに加えて「余暇」という5つ目のポートフォリオを考えてみよう。

 

ドナルド・スーパーが、有名なライフキャリア・レインボーを提唱したのは1970年代のことである。ライフステージごとの役割(ライフ・ロール)を唱え、そこには「余暇人(Leisurite)」という役割が示されている。言い換えれば、WLBの中に「余暇≒レジャー」を加えて考えることともいえる。しかし私たちのレジャーという言葉のとらえ方とは少し異なって、かなり広い意味を有しているようだ。

カナダの社会学者ロバート・ステビンスは、レジャーについて研究し、「カジュアルレジャー」「シリアスレジャー」の二つの概念を示した(1982)。

一般に余暇を楽しむ「カジュアルレジャー」に対し、「シリアスレジャー」は、プロ並みのアマチュアや、趣味レベルであっても深く打ち込んで続けることでしか得られない楽しみや充実感を味わえるものである。シリアスレジャーとしての趣味は、誰にでも簡単にできるわけではなく、専門的な知識やスキルが必要で、継続的で真剣でひたむきに取り組むものである。宮入・杉山(2021)が示した事例は次のような活動である*。

①レジャーとしてのランニング

アマチュアランナーは多数いるが、フルマラソンをサブ4(4時間を切る)からサブ3(3時間を切る)を目指すランナーは並ではない。また、ロードではなく山道を走るトレイルランニングに打ち込むランナーも、一種の専門志向がうかがわれる。

②夢追いバンドマン

プロ並みの技術を持ったアマチュアミュージシャンにとって音楽は趣味なのか仕事なのか。音楽で生計を立てることができるのは、ほんの一握りである。大半が、趣味を超えた音楽を続けるために別のペイドワークに携わっている。

③アマチュアオーケストラの舞台に立つ

クラシックの楽器奏者は、音大を卒業しても、それで生計を立てられるのは少数である。一方東京には、アマチュアながら本格的なフルオーケストラが100以上存在している。多くが大学のオーケストラOBが主体となって立ち上げたものであるが、中には数十年の歴史を有する団体もある。団員活動は完全に趣味であり、団体の維持と演奏会のために経済的な負担をしている。

そのほかの事例として、自主放送のケーブルテレビ局の制作者、地下アイドル、社会人劇団員、写真家、画家、歴史研究家、小説家などや、さらにシリアスレジャーとしてのボランティア活動などが紹介されている。みなさんの周囲にも、隠れた才能や一芸に秀でた人がいるかもしれない。

学校を出て一つの会社で定年制のもと働く時代は過ぎ去った。ワーク・ライフ・バランスという考え方も、多様で複雑になっている。働くことは人生の太い幹ではあるが、一方、シリアスレジャーは、5つ目のポートフォリオとして、QOLを高めWLBを安定させ人生を豊かなものにするに違いない。

100歳まで生きることがまれではない時代において、長期化した人生をどのように過ごすのか。夢中で過ごした10台に見ていた、なりたかった自分や夢やあこがれを思い出し、再びそれに取り組む時間はたっぷりあるのだ。

 

(出典)

*宮入恭平、杉山昂平編、2021『「趣味に生きる」の文化論』ナカニシヤ出版

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