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コラム 賢人の思考 ~ 会社が上手くいく仕組みとは ~
2023.02.06
2023.02.06
今回は大手IT起業で産業保健師として働いた経験のある鈴木祐子氏に「会社がうまくいく仕組み」について執筆いただきました。
私の大好きな会社に、チョークのトップメーカーである日本理化学工業株式会社という会社があります。その会社で大切に受け継がれている言葉が敷地内にある究極の幸せの像という石碑に刻まれおり、そこには「導師は人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、人の役に立つこと、人から必要とされること、の四つと云われた。働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるのだ。私はその愛までも得られると思う。」と記されています。鈴木氏のコラムを読んで、日本理化学工業が大切にされている言葉を思い浮かべました。弊社も心新たに人を大切にする組織をつくっていくという決意を抱きました。
日本理化学工業株式会社
タケシタのスタッフの声
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○筆者プロフィール
鈴木 祐子
長崎県五島列島生まれ。看護師、保健師。
福岡県の聖マリア学院大学の看護学部を卒業後、県立長崎シーボルト大学の看護栄養学部へ編入。地域保健を学び、卒業と同時に保健師の国家資格を取得。
2003年上京し、都内大学病院にて10年間勤務、その後訪問看護師を6年経験後、ホスピス施設にて主任、看護管理者として緩和ケアに携わる。
現在大田区にてホームホスピスの設立準備中。
テーマ:「会社が上手くいく仕組みとは」
経歴には省いていますが、実は私、大手IT企業で産業保健師をしていた経験があります。自分で起業したいと思い始めた時、上手くいく会社の仕組みを学びたいと思い、産業保健業界に飛び込みました。一般企業に勤めることは医療業界で働いてきた者にとって、かなり高いハードルでした。なぜかというと看護師は病院という井の中の蛙であって、社会情勢や企業人としての知識や常識、認識が欠如しているからです。大変な思いをして社会常識や企業人としての心得、IT用語、パソコン技術を学びました。
私が勤めたIT企業は健康経営銘柄に毎年選出されるほど健康経営に力をいれていました(健康経営銘柄:優れた健康経営を行っていると認められた企業の銘柄。健康経営銘柄として認められるためには経営的な視点から従業員の健康管理を捉え、戦略的に「健康経営」を実践している必要がある)。従業員の健康状態は生産性に作用し、長期的に見ると業績や株価に影響を与えると考えられています。健康経営銘柄は、従業員の健康を気遣うことで、安定した企業価値を構築していこうとする企業を評価し、投資先として魅力のある企業だと経済産業省が紹介する制度です。
そのため私が勤めたIT企業の産業保健部は会社の基盤をなすものでした。私が知りたかった「会社が上手くいく仕組み」がびっしりつまっていました。産業医と保健師と合わせると10名以上の組織で全社員の健康状態や精神状態を把握していました。そして、過重労働面談や高ストレス者面談、保健指導の他にセルフケアやラインケア、社員のエンゲージメントを高める方法等、あらゆる研修を主催し、社員のメンタルヘルスが崩れる前の予防にも力を入れていました。
そして、私が一番勉強になったのは社員が休職せざる負えなくなった際のフォロー体制です。その会社には休職入りから復職、復職後6か月までフォローし、休職した社員が通常に働けるようになるまで支援する仕組みがありました。
また、上司に知られずにあらゆることを相談できる健康相談窓口はかなり活用され、産業医から的確なアドバイスがあり、医療や労務に繋げるフローもしっかりしていました。
その会社の復職率は80%、復職者の1年後出社継続率は90%を超えており、数値化することでその会社の産業保健部が中核となっていることが目に見えてわかりました。
退職者が一人出ることで発生する会社の損失額は年収にもよりますが、1000万円以上と言われています。退職金や教育コストや採用コストの他に、非金銭的コストとしての知識・経験の損失や離職率増加による企業のイメージダウン、社内のモチベーションの喪失も含むからです。社員を大事にし、長く会社に貢献してもらうことができればその会社は上手くいっていると言えると痛感しました。
先ほどから「上手くいく」と羅列していますが、みなさんにとって上手くいっている会社とはどのような会社ですか?企業利益が右肩上がり?離職率が毎年低い?年収が高い?
みなさんが今働いている会社は定年まで貢献したいと思える会社ですか?いや定年過ぎてもそこで働きたいと思える会社ですか?私は社員にそのように思ってもらえる会社が上手くいっている会社だと考えます。
給与や休日、福利厚生、人間関係、職場環境、通勤環境、キャリアアップできる仕組み、多様化した働き方等、色々な条件を示唆し、就職や退職、勤務継続を考えると思いますが、働きやすい職場であることが最重要です。全てが自分の希望通りの会社なんてないと思いますが、妥協できるところはしても譲れないところはどこでしょうか。働きやすい職場とはどのようなところでしょうか。
産業保健師の間、常々そのようなことを考えながら仕事をしていました。そして私の中で見出した答えは、普通の企業にはなく、某有名IT企業には「社員を大切する仕組み」があるということでした。企業秘密も含まれるため詳細はお伝えできませんが、社長や上司が名言し、ホームページに書かれているということではありません。仕組みとしてあり、社員がそれを認識し、活用しているという点が重要です。そしてそれは社員一人一人を尊重した仕組みです。障害者や傷病者もその人にあった働き方ができ、その人にあったキャリアアップ制度があります。
近年、多様化とは企業にとってかなり重要なポイントとなっています。日本の雇用はメンバーシップ型からジョブ型へ移行してきています。また、ダイバーシティ&インクルージョン(個々の「違い」を受け入れ、認め合い、生かしていくこと)やグローバル化は当たり前のようになってきました。色々なカタカナIT用語が先だっていますが、多様化とは“自分らしさを尊重してもらえる”環境がある、ということであり、それは「安心感がある会社」=働きやすい職場であるということではないでしょうか。
企業に勤めて、一番強く感じたことは結局人間の根底にあるものが大事なのだということです。人は誰しも本能的に承認欲求があります。それは自分というものを認めてくれる他者承認欲求と自己承認欲求です。そのバランスがとれている環境にいて、バランスがとれている人が多く働いている会社が上手くいっているのだと思います。自分らしさを尊重してくれる同僚や上司や社長がいて、その仕組みが目に見える形である、そしてそのようなことが大切だと本当にわかっているリーダーが育成され、多様性を認め合える職場作りができている。それは健康経営に繋がり、更には会社の生産性の維持、発展に繋がるのだと私は確信をもって言えます。それを経験とともに学ばせてくれた某IT企業の上司や先輩方に本当に感謝しています。
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