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コラム 賢人の思考 ~ あの人にYESといわせるには?2 モチベーションは自分?それとも他者? ~
2025.08.04
2025.08.04
熊倉 百音子さんに「モチベーション」をテーマに書いてもらいました。
私はスタッフに対して、有能感(自分はできるという感覚)と自己決定感(自分の仕事は自分で判断して決める)を阻害しないようマネジメントを行い、モチベーションを少しでも高めていただくよう心がけています。
自らがそうしてきた理論の裏付けがこのコラムを読んで出来たように思います。
ぜひみなさんも読んでいただき、自らのモチベーションの源泉がどこから来ているのかを理解してみてはいかがでしょうか。
【プロフィール】
東京生まれ 株式会社クオリティ・アンド・バリュー 代表取締役
公認心理師/ドイツポジティブ心理学トレーナー
九州歯科大学 非常勤講師
『心理学を日常に活かす。質の高いコミュニケーションの方法と効果を実践的に伝えています』
コラム:「今日もココロをストレッチ」連載 2022.8~2023.7(秋田魁新報 他2紙)
著書:「誰も教えてくれなかった 患者さんの心をつかむ デンタルコミュニケーションメソッド」(共著 医歯薬出版社)
立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科修了
あの人にYESといわせるには?2~モチベーションは自分?それとも他者?
絵を描いたり写真を撮ったりといったアート活動をライフワークとしている友人がいます。毎日のように作品をSNSに載せてはいますが本業は別にある、けれども彼女の日常にはごく自然に、まるで毎日ご飯を食べるようにアートが存在しています。その姿を見ていると、「彼女のアートへのモチベーションはなんだろう?」と思うことがよくあります。人が行動に駆り立てられるにはなにかしらの心を動かすものがあります。それを人はモチベーションと呼びます。
今日はモチベーションが誰の評価からくるか?のお話です
【評価基準は自分?他者?】
モチベーションが高まる要因のひとつに人からの評価されること、がありますが、他者からの評価によるものか、あるいは自分自身によるものかはその人の評価基準によって異なります。
他者から評価される、賞賛を得ることがモチベーションになる。これは誰もがそうだと思います。自分が行ったことに対して「よかったです」「ありがとうございます」と肯定的なことを言われると嬉しくなります。相手の役にたっていると感じられることも自分が行ったことに対する達成感となり、同時に喜びや満足感につながります。
自分以外の外的な要因によってモチベーションがあがるので「外的基準」と呼ばれます。「外的基準」の人は他者の意見に敏感です。他者の評価によって判断するので周囲の人とうまくコミュニケーションをとりながら仕事を進めていくとうまくいきやすいタイプです。
一方で「人はどうあれ、自分の中の価値観が仕事の良し悪しを決める判断材料」である「内的基準」の人もいます。
自分の判断基準によって動き、結果についても自分なりの納得感を感じることが大事です。仕事の質も自分で決める、他人から評価されなくても自分でうまくいった、という感覚があれば自分自身を自己評価してモチベーションにできます。
自分の中に絶対的な評価基準があるので、自分が納得できていなければ他者からどんなに評価され褒められたとしても「ほんとにそうかな?」と簡単に喜んだりしません。周りから観ればちょっとクールで職人肌な難しい人、と思われる場合もあります。
「外的基準」「内的基準」とわかりやすくタイプ分けをしましたが、どちらか一方に偏っていることは少なく、どちらも持っていることが多いと思います。
私自身、人から評価されるとそれは嬉しくなります。とはいえ、自分の中で譲れない基準もあって「よくやったね」と言われても「そうかな???」と考え込んでしまうこともしばしば。他の人もそうであるように評価基準はそれほど単純でもわかりやすくもない、というのが本当のところです。
だからこそ、自分であれ、他者であれどんなことに心が動くのか、その傾向を知っておくことは仕事を続けていく上で大切なことです。
【外的基準か、内的基準か、あなたはどう思う?】
傾向を知るためにこの質問をしてみてください。
「あなたはいい仕事ができたとき、どのようにしてわかりますか?」
外部からの評価によって「いい仕事をした」と思える外的基準の例です。
『お客様からいい出来だ、と評価されたとき』
『相手から感謝の言葉をもらったとき』
『上司がよくやった、とほめてくれたとき』
『売上ランキングが社内で上位になったとき』
一方、内的基準は自分の中にある価値観や美意識が評価基準になります。
『終わった時に自分の中に達成感があったとき』
『自分が成長した、と感じるとき』
『クオリティの高い仕事ができた、と感じたとき』
「よくやったね」「すごいね」「〇〇さんから喜んでいたよ」と外部からの誉め言葉が直接モチベーションを生み出す「内的基準」の人に対して「外的基準」の人は「なにがうまくいったんだろうね」とその人の内面に問いかけてみると自ら向上していこうとします。
評価するといってもその人の価値機基準の違いでモチベーションの源泉は異なります。他者へのフィードバックするときには相手が内的化外的かによってアプローチを変える必要があります。
モチベーションについて考えてきましたが、冒頭に紹介した私の友人はアートを好きになるきっかけは誰かに褒められたことだったかもしれません。けれども大人になった今でも別の仕事をしながら自然にアート活動を続けている、そのモチベーションの源泉は、自分自身の中に創作の喜びを見出しているのだろうと思います。そこには他者の評価や賞賛などあまり重要でなくなってくるようです。
【芸術家・横尾忠則さんの場合】
最後にアート繋がりで88歳の今も現役の芸術家・横尾忠則さんの言葉をご紹介します。横尾忠則さんはご存じのように1960年代にグラフィックデザイナーとしてデビュー、その後は様々な芸術活動を精力的に続けています。いまだに絵を毎日書き続けている横尾さんのモチベーションの源泉は「内的基準」でも「外的基準」でもなく、それを超越したスピリチュアリティを感じます。
もう飽きちゃってるんですよ。もう、ずーっと子供のころから絵しか描いていませんからね。誰のために描くわけでもないんですよね。世のため、人のためにも描いているわけではない。じゃあ、自分のためか?自分のためでもない。じゃあ、なんなのか。(それは)「みえないな にか」、存在を想定するしかしょうがないんですよね。その「みえない存在」に対する、なんというのか『奉納』みたいな感じですよね。神社に行くと奉納の舞いがあったりしますよね。あれは神に対する、感謝の心の奉納ですよね。だから、僕の場合はインスピレーションを僕に送ってくれた源泉=「もと」ですね。『もと』が誰だかわからないけれど、それに対して描いているのかな、と思いますね。
出典:NHKサイカル 『横尾忠則87歳 絵は”飽きた”けど…描くワケ』
以上
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